ちょっとした受け身

 

 

 

 

 

 

 

晴れたり、曇ったり。パラつく。15度。

8時に起きる。

コーヒー。柿。ナッツ。

名古屋行きの深夜バスと東海道線を乗り継いで、妻が戻ってくる。

深夜バスに乗ってもまだ平気——きっとそれが彼女の何かを支えるバロメータになっている。楽をしはじめたらキリがなくなる。そう思い定めているフシもある。

生来の乗り物好きは、いくつになってもそうらしい。

そのどれもが妻なのだと思う。移動している時間を彼女は慈しむ。

昼餉は、マクドナルドでフレンチフライ、チーズバーガー、コーヒー。

妻が、ここへ戻ってくるとまた落ち込むとこぼす。僕にそうした気分を移してしまわないか心配している。

落ち込むとしたら、過ぎ去ってしまった物事に対してだ。僕はでも、黙って彼女の話を聞く。聞く時間をもっと作りたい。心からそう思う。

夕餉は、冷奴、ポテトサラダを添えた鳥胸肉の唐揚げ、味噌汁(二十日大根・人参・玉葱・油揚げ・豆腐・葱)、ご飯、ウィスキーオンザロック。食後に緑茶、クッキー。

Appleは、OS群のパブリックベータ・プログラムを更新した。iOS 15.2β2に。

 

 

 

 

 

 

f:id:Tosshy:20211113110129j:plain

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キミはいずこに

 

 

 

 

 

 

 

おおむね晴れ。17度。

8時に起きる。

コーヒー。ナッツ。柿。

鼻水、くしゃみ、相変わらず。左の鼻の奥の異物感。ティッシュがどんどんなくなる。

自宅の妻からLINE

iPhoneが見知らぬWi-Fiスポットにいつの間にか接続している。パスワードを入れてないのに勝手に繋がっている。何が起きているのかしら、と。

返信には——

それは、入れ替えた光回線の新しい無線ルータのスポットでしょ。

と。忘れ事を指摘し合っては胸を撫でおろす日々。

僕も似たようなことを妻に尋ねている。夫婦はこうやって歳を重ね、いつのまにか死んでいくものなのか。

最低気温が10度を下回るようになって数日、板間が冷たくなってくる。義母の家は断熱という考え方がなかった頃に建てられている。今年も越冬できるか試される。

早い夕餉は、きんぴら、肉じゃが、味噌汁の残り、ご飯、ウイスキーオンザロック、ナッツ。

ある日、妻に尋ねる——

おーい、キミはどこにいる?

先立たれたのか、こちらが先だったのか。それがわからない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

自問自答の訓練

 

 

 

 

 

 

 

おおむね晴れ。16度。

8時に起きる。

コーヒー。

朝餉は、大根の皮・人参のきんぴら、ポークカレーの残り。

長浜の美容院へ。いつものカットだが、今日の人は腕がいい。ハサミの入れ方、刈った毛の処理、カットのカタチ、どれもすごい。

ジョギング、8.38キロメートル。西南西の強い風。ウインドブレーカーを着て、裏起毛のタイツを履くのは春以来。

妻が東京へ行っているあいだ、いつも思考訓練する。一人暮らしという現実。僕が先に逝くものだと二人して決めつけている。だが、人生は皮肉なものと相場は決まっている。

ウイスキーを求める。JohnnyWalker12年。ジョニ黒をベンチマークにしたら、Teacher’sはもう飲めなくなってしまう。こういう時、暮らしの質という紛らわしい言葉が立ちはだかる。そうさせているのは、誰あれろう自分なのに。

夕餉は、冷奴、大根の皮と人参のきんぴら、豚バラの肉じゃが、味噌汁(大根・玉葱・人参・二十日大根・油揚げ・豆腐・葱)、ご飯、ウイスキーオンザロック、ナッツ。

鼻水とくしゃみが止まらなくなる。ジョグ中に鼻に異物が入ったらしい。鼻洗浄しても変わらず。

思考訓練は、互いにやっていると思う。訓練のことを話し合ったことはないけれど、それは避けてとおれない。帰ってきたら、話題にしようかと今、思った。

備えるといっても、それは必ずやってきて、残されたとしても、ずっと残るわけではないのに。訓練してどうする、と思いつつ。

 

 

 

 

 

 

 

 

キクユ族と日本人

 

 

 

 

 

 

 

雨、のち晴れ。17度。強風。

8時に起きる。

コーヒー。

晩秋から初冬へ、一日で様相が変わる。

『アフリカの日々』より抜粋——

 

(前略)キクユ族はマサイ族のように隷属に耐えず死をえらぶことはないし、ソマリ族のように、傷つけられ、だまされ、軽んじられた場合、運命に挑戦することもない。異国の神とも親しみ、とらわれの境遇にも耐えてきた。キクユ族は、自分を虐待する人びととのかかわりのなかで、いっぷうかわった自分らしさの感覚をつちかってきた。虐待者たちの利益と特権は、虐待される側である自分たちなしには成立しないというからくりに気づいていた。奴隷狩りと奴隷売買での主役は、その商品である自分たちなのだ。血と涙にぬれた長いとらわれの旅のなかで、この羊のようにおとなしい人びとは暗くしめりがちな心のなかで、切りつめて単純化した哲学を考案し、羊飼いや犬どもをそうたいしたものとはとらないことにした。

 

キクユ族を描いたこのくだりには、どこか日本人の姿も見え隠れする。なぜだろう、と思いつつ。

昼餉は、柿を4個ほど。まだ50個はありそう。

早い夕餉は、大根の皮と人参のきんぴら、味噌汁(大根・玉葱・人参・油揚げ・豆腐・葱)、ポークカレーの残り、ウイスキーオンザロック。食後に柿。

GarminForeAthlete用の交換ベルトが届く。ボロボロ剥落する欠片からの解放。新しいシリコンベルトはとても柔らかい。

620Jは使い始めて8年くらい。最新モデルは心拍計が付いている。心臓に負荷をかけない走りになった僕には無用の長物だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

見えないけれど、伝わってくる

 

 

 

 

 

 

 

 

晴れ、のち曇り。22度。強い巻き風。

6時に起きる。

コーヒー。

妻は名古屋経由で自宅へ。バスの旅。お好きな席にどうぞ、と言われるほどの空席とか。クワイアの稽古やら。

昼餉は、大根・厚揚げ・人参・竹輪の煮物の残り。

韓国ドラマ『イカゲーム』が話題になっている。彼の国のオーバーな演技についていけず。競馬場のシーンまでがやっと。

非現実でもいっこうにかまわない。どんなに荒唐無稽であっても。だが、嘘はいけない。そのことに気づいていないのは、もっといけない。

札幌の姉から手紙。床の間に備えた仏壇と仏花の写真も。仏壇について姉の感想はなかった。

妻の誕生日プレゼントも届く。

早い夕餉は、味噌汁(大根・人参・シメジ・二十日大根・油揚げ・豆腐・ネギ)、ポークカレー、缶チューハイ、ウイスキーオンザロック。食後に小豆団子、柿。

夜、雨。

小説でも映画でも、なんだったら俳句でもいい。嘘はすぐわかる。

たとえば、この短歌は一世を風靡した。

『この味がいいね』と君が言ったから七月六日はサラダ記念日

鉤括弧のような言い方はしない。短歌の字合わせをした言葉が濁っている。辻褄合わせに使われた男の気持ちまで濁って見える。

そんな歌を詠む女のキョトンした瞳まで、なんだか作り物に見える。

 

 

 

 

 

 

 

 

ほど遠いということ

 

 

 

 

 

 

 

晴れ。20度。

8時に起きる。

コーヒー。

朝餉は、カボチャのいとこ煮、大根・厚揚げ・人参・竹輪の煮物、イワシの梅煮、味噌汁(二十日大根・人参・シメジ・油揚げ・豆腐)、玄米ご飯。柿。

NHKの将棋と囲碁トーナメント。郷田真隆9段が渡辺明名人を99手で下す。中盤の攻防に見応えあり。筋に入った、と渡辺名人が感想を述べたとおり、郷田さんの打ち筋が光った。羽生善治9段の解説は一味違う。それが強さを物語っているのに、彼は無冠になって久しい。強さと勝負勘とは別物らしい。

妻は彦根のカフェへ。マスターに採れた柿をおすそ分け。

ジョギング、7.80キロメートル。

夕餉は、おでん、玄米ご飯、ウイスキーオンザロック。食後に妻の点てた抹茶二服、小豆団子。

暮らしの大部分は、暮らしの備えや整えのために費やすことに割かれる。都会ではそれらは金を払うことで不可視化されるが、田舎では自分でやることになる。備えや整えは先人の知恵の集大成なので、そこを知らないと暮らしのもっとも大事なことに気づかずじまいになる。核家族化によって知恵の分断が起き、いつの間にか社会は大きく変質した。

 祭りは、そうした知恵の伝承を可視化するために地域が作り上げたシステムだが、担い手が減ってしまっている。便利を目指して、便利とはほど遠い暮らしになる。知恵は時間のかかることが多いが、そのぶん心に落ち着きのようなものをもたらしてくれる。知恵が付いてきたという充溢感は、ヒトが人らしさへ近接する手助けになる。

 家づくりを考えていると、当たり前だったことが現代ではセールストークに織り込まれていることに気づく。

当たり前が、特徴として語られる時代。

遠くまで来てしまったと思う。

 

 

 

 

 

 

 

f:id:Tosshy:20211108090353j:plain

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

足元を見ればわかること

 

 

 

 

 

 

 

おおむね晴れ。19度。

7時に起きる。

コーヒー、ヨーグルトと蜂蜜をかけたリンゴと柿。

妻と長浜の工務店のツアーへ。

山林でスギやヒノキの伐採、枝打ち、4メートル材への仕上げをその場所で行う流れを見学。

個人が持っている森林は、間伐が行われていない。そこに分け入って、主伐までやって森林の生態系を取り戻す。今、森林資源に占める年間の伐採量は0.53%しかない。国土の67%が森林なのに大部分は放置され、荒廃が進んでいる。世界の平均の森林率は30%で、先進国ではフィンランド、スウェーデンに次いで3位の森林大国なのに、実情はとんでもないことになっている。

そのことを林業組合の方に説明してもらう。

昼食は、カツ丼とうどんの定食。腹一杯のボリューム。

午後は、切り出した木が製材所で板になるまでを見る。樹齢60年のスギ材が乾燥前の価格で15000円。とても安いと思うのだが、それでも輸入材にはかなわないという。木が切り出され、船に乗って運ばれてくる。その間にCO2をどれくらい使うかという指標はウッド・マイレージで表される。カナダ産のベイスギは確かに安いが、ウッド・マイレージは跳ね上がる。自国の木を使う、特に地域の木を使えばマイレージは限りなくゼロに近づく。地球温暖化に直結している森林の存在は、これからの国土を護る最前線にある。

そうしたことを現場で学んだ貴重な時間だった。

催してくれたのは、製材から建築まで一貫して行う工務店だった。ツアーに参加したのは10人ほどだったけれど、食事代を含めてすべて会社持ちで、社長さんや専務さんが丁寧に説明してくれた。

ほかの会社で建ててもいいですよ、でもできるだけ地元の木を使ってください。

そう言って、社長さんは笑った。

最後にヒノキの寄木細工でコースターを作って終わった。

夕餉は、即席ソバ、ウイスキーオンザロック。

ツアーが終わって帰宅すると、妻は、なぜか哀しいと言った。それは、この国が抱える不自然な実態を間近にしたからだと思う。

 

 

 

 

 

 

f:id:Tosshy:20211107104826j:plain

 

 

 

 

 

 

 

 

なにも象徴していない

 

 

 

 

 

 

 

晴れ。19度。

7時に起きる。

コーヒー。

朝餉は、ポテトサラダ、カボチャのいとこ煮、厚揚げ・ナス・ピーマンの甘辛炒め、味噌汁(玉葱・二十日大根・人参・シメジ・油揚げ・豆腐・ネギ)、サツマイモご飯。

時計の革バンドが届く。今度のはどれくらい保つだろうと思いながら、ピンを外してDバックルに新しい革バンドを付ける。届いたばかりの革は言うことを聞かず、ピンと伸びきろうとする。少しずつ手首に合わせて曲げ癖をつけるのに何日かかかる。

革バンドはいつからか中国が席巻していて、品質はずいぶん良くなったように見えるのだが、数年するとガクンと膝から崩れ落ちるように革が剥がれてしまう。

英国製のコードバンを使った国産品になると、中国製が4本以上買える。1本と4本の寿命は同じか、4本を取っ替え引っ換えする方が長く使えるかもしれない。そんな計算をしてしまう時点で、コードバンを身につける資格はなくなってしまう。そういうときに、歳の取り方を間違えたと思う。

この季節になると、左の肩の骨を覆っている皮膚が緩んできて、どうかした拍子に皮膚を破って体液が滲んでくる。右の肩甲骨を折った数年後に今度は左の肩甲骨を折った。どちらも自転車に乗っていて倒れた時だった。

今となってはなぜかわからないのだが、右を折った時は接骨院へ最初だけ行って、それからあとは自分で治した。1年ほどは痛みに耐えていた。骨はなんとかくっついたが、いびつにつながっている。左は外科にかかって手術でつなげた。数カ月して骨を繋いでいた針金を外してもらったのだが、それからずっと調子が悪い。元に戻らないばかりか、体液のようなものが滲んでくる。

自分で治した右は、形こそ悪いけれど後遺症はない。たまたまなのだろうが革ベルトといい、そういう対比がなにかを象徴しているような気になるのはなぜだろう。

妻と彦根の仏壇屋へ。仏壇引き取りの見積もりを聞きに。新しい仏壇も下調べ。安くても一点物しかないのは老舗らしい。

スターバックスでソイラテ。

夕餉は、カボチャのいとこ煮、麻婆茄子、味噌汁(玉葱・二十日大根・人参・シメジ・油揚げ・豆腐・ネギ)、サツマイモご飯、ウイスキーオンザロック。食後に抹茶二服、和生菓子。

 

 

 

f:id:Tosshy:20211107104703j:plain

 

 

 

 

 

 

 

 

大きな置き土産

 

 

 

 

 

 

 

おおむね晴れ。19度。

7時に起きる。

コーヒー。

朝餉は、卯の花煮、レタスとポテトサラダを添えた鶏胸肉の唐揚げ、味噌汁(玉葱・二十日大根・人参・シメジ・油揚げ・豆腐・ネギ)、サツマイモご飯。

サツマイモを刻みながら、サツマイモご飯の炊き上がりを思い描いていたら、まだ手をつけていないご飯があることを忘れていた。

落ち込む僕を妻が笑う。

そんなこと、これからたくさん起きるわよ、と。

義母の祥月命日に仏壇じまいをすることにして、妻は義姉と法事の相談をしている。御本尊の魂抜きと法事の日取りは命日の前日が候補になっている。彦根の仏壇屋と決めた引き取りの値段は、お焚き上げの供養も含んでいる。

90年は経っているという大きな仏壇は、あちこちが剥がれたり崩れかけている。洗濯するだけで数百万円はかかると言われた。妻の悩みがまた一つ減る。

ジョギング、7.39キロメートル。西北西の風。湖面に白波。

妻は、地元の整体院へ。背中の痛みを堪えているのは、見ている側も辛い。言い続けて、やっと腰を上げてくれた。3カ月も通えば必ず治ると言われたものの、結構な金がかかるらしい。

夕餉は、卯の花煮、ポテトサラダ、味噌汁(二十日大根・玉葱・人参・シメジ・油揚げ・豆腐・ネギ)、キーマカレー、ウイスキーオンザロック。食後に和生菓子、妻の点てた抹茶二服。

 

 

 

 

 

 

 

 

感じたこと

 

 

 

 

 

 

 

晴れ。20度。

7時に起きる。

コーヒー。

朝餉は、二十日大根の浅漬け、サツマイモのシュガーバター炒め、ほうれん草の胡麻和え、大根・厚揚げ・コンニャクの煮物、鶏ひき肉の豆腐ハンバーグ、味噌汁(玉葱・ラディッシュ・人参・シメジ・油揚げ・豆腐・ネギ)、ご飯。

最大野党の党首が辞任するという。政権交代を本気で目論んでいたとは思えない。小選挙区比例代表という制度は、今の政党状況にはそぐわない。わかっているのに、なぜ無理筋に挑んだのだろう。その心情を推し量ることはできない。

中道左派の軸足がいつからか揺れていた。極左の政党と選挙協力してから、本質はまったく見えなくなった。国民は中道左派という位置の妙味を期待しているのに、彼が掲げたのは左寄りの左派だった。力学音痴だと吐露してしまったように見えた。見誤ったことに最後まで気づいていなかった。ぽっかり空いた中道左派より少し右派という味のある椅子を占めたのは、大阪地盤の政党だった。

こんな時代に左派とか右派とか、時代錯誤も甚だしいけれど、そんな構図を持ち込んだのは辞任を表明した党首本人だった。極左の政党と手を組んだのだから。

オリンピック開催前の頃、国会を招集しろと野党の議員は騒いでいた。コロナ禍の対策を新たに予算化するには国会だと本気で訴えていた。なんと叩かれ弱い連中だと、誰もが思ったことだろう。

国家予算の策定と実施のタイミングについて何もわかっていないのだと自白しているようなものだった。だから舐められるのだということを、彼らはまだ知らないままだと思う。

物事の「進み方」と「進め方」くらい頭に叩き込んでおいてほしい。それが被選挙権を行使できる最低限の資格だ。

台所に立っている妻に、一昨日のモデルハウスを見て、思ったことや感じたことをあれこれ話した。端的に言って、やっと見つけたと思った。そのことを言葉にした。

これまで付き合ってもらった大手のハウスメーカーも中堅の工務店も、坪単価に見合った家を設計・施工していた。定められた基準数値をクリアして、少しでも上のランクを目指している。さまざまな素材を組み合わせて、魅力的な空間を競っていた。だが、どの家も住みたいと強く思わなかった。

逆に、見終わってからひどく疲れた。その原因がわからなかった。

昨日のモデルハウスに足を踏み入れて、その原因がわかったような気がした。応対してくれた社員も途中から加わってくれた社長さんも、数値や専門用語を振り回さなかった。その代わり、ゼロエミッションに基づいたエコシステムの未来には朴訥ながら時間を割いてくれた。彼らがその手で建てたモデルハウスは、手入れを怠らなければ100年以上持ち堪える立派な柱や梁が支えていた。もっと先の時間さえ、その家は見つめているようだった。

木材と漆喰でできた家——僕らの肌に直接伝わってくるものを端的に表す言葉が見つからない。僕はそのことが嬉しかった。言葉が出ないということを、僕は受け入れていた。はじめて、なんとかして住みたいと思った。どの家より坪単価は高かったけれど、狭くてもいいじゃないかと思った。

僕は妻の料理を邪魔していた。それくらい、熱が入っていたと思う。

妻の作った夕餉は、卯の花煮、クリームスープ、キーマカレー。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あれこれの予約

 

 

 

 

 

 

 

 

晴れ。20度。

7時に起きる。

コーヒー。

朝餉は、ラディッシュの漬物、ほうれん草の白和え、大根・厚揚げ・コンニャクの煮物、焼き鮭、サツマイモのポタージュ、玄米ご飯。

札幌の姉、妻にバースデーケーキを注文。

ジョギング、9.07キロメートル。北北西の風。この時期にヒバリが鳴いている。

妻は高校時代の友人宅へ柿を届けに。自転車を漕いで。

彦根の花屋でバースデー用の花束を注文。

ブレンデッド・ウイスキーを求める。James King。アルコール臭さが強い。甘さはあるけどどこか人工的。ヒリヒリした感じが舌に残る。この価格帯は仕方ない、少し前なら諦めていたところだけれど。ベンチマークをTeacher’sにして以来、様相は変わってしまった。

夕餉は、二十日大根の甘酢漬け、ほうれん草の白和え、大根・厚揚げ・コンニャクの煮物、柿と交換に裏のおばちゃんからもらった卯の花煮、麻婆茄子、味噌汁(人参・玉葱・シメジ・ラディッシュ・油揚げ・豆腐)、玄米ご飯、ウイスキーオンザロック。食後に和生菓子、妻の点てた抹茶二服。

 

 

 

 

 

 

 

 

f:id:Tosshy:20211103111340j:plain

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この国らしいもの

 

 

 

 

 

 

 

 

おおむね晴れ。20度。

7時に起きる。

おはぎ。

工務店の社長さんらが訪う。駐車場も含めて、大雑把な測量。

妻の作った味噌汁(玉葱・人参・油揚げ・豆腐)、トースト。

計画が進み始めると、妻があれこれと問題を提起する。その繰り返しなのだが、それでもいいと思っている。

妻とクルマで長浜にオープンしたてのモデルハウスへ。その前にスターバックスでキャラメル・マキアート。

国内産の木材と自然石を使ったその家は、室内に入ってしばらくすると毛穴が開いていく。大きく息を吸い込むまでもなく、さまざまな木材の香りがする。太い柱と梁。和紙を使ったブラインド、一枚板の造作テーブルやキッチン収納。国内で産出したものだけで作られた家。大手のハウスメーカーでは作れない意匠を味わい、社長さんの話を聞く。いい時間だった。

太陽エネルギーだけで暮らすエコシステムにこれから着手していくという。2時間近く見学した。暮らしてみたいと心から思う家は、出会うとすぐわかる。

夕餉は、ラディッシュの漬物、冷奴、納豆、インゲンの胡麻和え、イワシの梅煮、味噌汁(玉葱・人参・シメジ・油揚げ・豆腐・ネギ)、玄米ご飯、ウイスキーオンザロック。食後に妻の点てた抹茶2服、和生菓子。

 

 

 

 

 

 

f:id:Tosshy:20211102104843j:plain

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さまざまな模様

 

 

 

 

 

 

 

 

曇り、のち晴れ。20度。

7時に起きる。

コーヒー。

朝餉は、豆腐、インゲンの胡麻和え、サツマイモのレモン煮、大根・人参・竹輪の煮物、卵焼きと焼き鮭、味噌汁(人参・玉葱・シメジ・油揚げ・豆腐・ネギ)、玄米ご飯。

NHKの将棋と囲碁トーナメント。将棋で藤井3冠が深浦9段に完敗。持ち味を出す場面がまったくなかった。

声を発することなくテーブルに突っ伏する姿は、棋界一のタイトルホルダーの姿ではない。将棋を取り巻く状況や、棋士の対局姿勢が勝負事としての魅力を削いで久しい。将棋というゲームは、今となっては、どうしようもなく古臭く見える。

そうさせてしまったのは、AIに勝てなくなってしまったヒトの理性だと思う。自ら作り上げたゲームの機微を、自ら作り上げたスイッチングのオン・オフとプログラミングを磨き上げることによって奪い去った。ゲームの機微とスイッチングのオン・オフが、これから先、どこかで折り合いをつけることはない。チェスがそうなってしまったように。

ゲームはロマンチックという名の過去に埋もれていく。すべての過去がそうであるように。

牡蠣を3個、4個と食べて腹を下す。

彦根のメガネ屋へ。KameManNenのフレームが直った。いったんは諦めていたグレーブルーの七宝焼のメガネをまた掛けられる。ありがたい。

妻と醒ヶ井へ。高校の妻の同級生が嫁いだ醤油屋で醤油を求める。柿をプレゼント。

夕餉は、ラディッシュの漬物、インゲンの胡麻和え、野菜・竹輪のかき揚げ、味噌汁(大根・人参・玉葱・シメジ・油揚げ・豆腐)、玄米ご飯。

総選挙の開票。大物政治家が落選。彼は、政治屋という書き込みあり。ごもっとも。

10月の総括をば。アクティビティは4日、総距離は26.71キロメートル。80回のスクワットはほぼ毎日。

 

 

 

 

 

f:id:Tosshy:20211101195331j:plain

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あれこれの秋日

 

 

 

 

 

 

 

 

おおむね晴れ。20度。

7時に起きる。

コーヒー。

朝餉は、ラディッシュの浅漬け、サツマイモのレモン煮、大根・人参・竹輪・小松菜の煮物、ブロッコリーを添えたウインナーソーセージと卵焼き、味噌汁(玉葱・人参・シメジ・油揚げ・豆腐・ネギ)、玄米ご飯。

この家のことで妻と話し込む。

東近江の新築内覧会に妻とクルマで。大きな平家。10回も線を引き直してやっと若い施主の意向にそえた、と工務店が胸を張る。和室の色調がパッとしない。廊下が無駄に多い。

たくさんの新築を見てきたおかげで、住み心地やオーバースペック、ダウンスペックが一見してわかるくらいになった。

姉から電話。仏壇が届いて、設置が終わったと。妻の贈った仏花の礼も。父の一周忌にぎりぎりだった。相変わらずだな、お前は。父の声が聞こえるような。

小さくてモダンな仏壇。胡桃材の日本製を選び、信楽焼の仏具で揃えた。姉の声は明るかったが……

神道一筋の家だったので、父が他界してから母姉は仏教に接することとなった。浄土真宗のお西さんの決まり事がいかほどにせよ、今は敷居が低い。

マクドナルドでコーヒーとアップルパイ。

夕餉は、菓子パン、ナッツ、柿。

 

 

 

 

 

 

 

 

翻弄されるあれこれ

 

 

 

 

 

 

 

 

晴れ。19度。

8時に起きる。

コーヒー。

朝餉は、ラディッシュの甘酢漬け、シシトウとナスの焼き浸し、豚バラと小松菜の醤油炒め、味噌汁(玉葱・人参・シメジ・油揚げ・豆腐・ネギ)、玄米ご飯、バナナ・柿。

いただき物の小松菜が育ちすぎていて手強い。

咲いている花が減ってくると、ミツバチたちをはじめとする虫たちは、樹液を求めて老梅の幹に集まってくる。そこは砂漠のオアシスもかくありなんと思わせる交易所の様相を呈し、さまざまな種族が往来し渇きを癒していく。それを狙ってクモたちが巣を張る。シジュウカラやコガラもたまに来る。粘っこい樹液が日の光を反射しているあいだは、往来が途切れることはない。

岳父の庭を更地にしてしまえば、生態系の小宇宙がまたひとつ消える。ヒト族だけが隔離され優位を得ているわけではない。そのことが胸に迫ってくる。この国の限界集落は、25000カ所とも言われる。

おやつは、妻が市役所の帰りに買ってきた菓子パン、コーヒー。

妻は、柿や貰い物のラディッシュを持って長浜の伯母のところへ。

夕餉は、妻の作ったオートミールのパンケーキ。

Appleは、iOSiPadOSのパブリックベータ・プログラムを更新して15.2β1をリリースした。