不明のことばかりで恥じ入る暇もない

 

 

 

 


晴れ。22度。
7時に起きる。
朝餉は、蜂蜜とヨーグルトをかけたバナナ、サラダ(レタス・キャベツ・キュウリ・トマト・チーズ・バジル)、味噌汁(菜の花・豆腐・油揚げ・玉葱・人参・ネギ)、卵焼きとハムを挟んだトーストサンドイッチ、アールグレイ。食後にコーヒー。
デニス・ルヘインは中短編の作家だ、と言い切るとお前は不明を恥じるべきだろうなと言われるのがオチだ。この国で『The Drop』がどれくらい評価されているのかためしにAmazonのレビュー数と平均レートを確かめるといい。ぼくのメガネのズレ具合は深刻であることがわかる。
ところが米国Amazonのレビュー数とレートを確認すると、どうやら世間のメガネはまともではないらしいことがわかる。大した傾向とか嗜好の差ではないかもしれない。こんなことは世間に履いて捨てるほどある。大袈裟なことを言うな。そういうことなのだろう。
それに、中短編に対するこの国の冷たさなどという嗜好をぼくは聞いたことがない。で、最初の『犬を撃つ』を読めば、『コーパスへの道』がいかにたっぷりとした重量のある短編集であるかは誰の目にもあきらかだと思うのだが、案の定、この国は実に醒めた目でこの本を見ていることがわかる。ぼくが震撼するのは、この差についてまっとうな説明が思いつかないからだ。
掃いて捨てるほどあることの多くは説明がつかない。ほんとにわからない。
昼餉は、中華スープ、焼きそば、コーヒー、クッキー。
『ステラ・マリス』を買うべきか。答えが見つからない。マッカーシーの最後の小説を図書館で予約する自分について、ぼくは良い言い訳が思いつかない。『フラニーとゾーイー』がけりをつけに出てきたのかな、とズレたことを考えるのが精一杯だ。
世の中には、深淵すぎてすぐにはわからないことが多すぎる。
夕餉は、妻とグリルレストランへ。ハンバーグとサラダバー、ドリンクバーを。久しぶりに行ったら、肉も野菜も旨くなっている。たらふく食べて外へ出たら半月が輝いていた。春の闇、フラフラ歩いて帰宅。ウィスキー・オンザロック。