キミはいずこに

 

 

 

 

 

 

 

おおむね晴れ。17度。

8時に起きる。

コーヒー。ナッツ。柿。

鼻水、くしゃみ、相変わらず。左の鼻の奥の異物感。ティッシュがどんどんなくなる。

自宅の妻からLINE

iPhoneが見知らぬWi-Fiスポットにいつの間にか接続している。パスワードを入れてないのに勝手に繋がっている。何が起きているのかしら、と。

返信には——

それは、入れ替えた光回線の新しい無線ルータのスポットでしょ。

と。忘れ事を指摘し合っては胸を撫でおろす日々。

僕も似たようなことを妻に尋ねている。夫婦はこうやって歳を重ね、いつのまにか死んでいくものなのか。

最低気温が10度を下回るようになって数日、板間が冷たくなってくる。義母の家は断熱という考え方がなかった頃に建てられている。今年も越冬できるか試される。

早い夕餉は、きんぴら、肉じゃが、味噌汁の残り、ご飯、ウイスキーオンザロック、ナッツ。

ある日、妻に尋ねる——

おーい、キミはどこにいる?

先立たれたのか、こちらが先だったのか。それがわからない。