“あのベンチ”

 

 

 

晴れ、のち雨。夜半に雪。5度。
8時に起きる。
朝餉は、蜂蜜とヨーグルトをかけたバナナ、サラダ(キャベツ・大豆煮・コーン・カニカマ・チーズ・バジル)、味噌汁(玉葱・シメジ・人参・油揚げ・小松菜・豆腐・ジャガイモ)、ハムと卵焼きのトーストサンドイッチ、アールグレイ。食後に珈琲、チョコレート。
NHKのドキュメンタリーで知られることとなった湖岸のベンチは木の下に置かれている。なぜか知らないけれど、誰かが“あのベンチ”と呼ぶようになり、その風情がSNSなどで拡散したという。ぼくらは番組を見るまで、“そのベンチ”の存在すら知らなかった。
そばなのだから、妻が見たいというので、嵐の予兆のなかクルマを出して彦根・荒神山のそばへむかった。湖岸通りからさらに湖岸沿いの道をいくと、風雨にもかかわらずクルマで賑わっている場所があらわれた。
波頭が白い波となって湖岸に打ちつけている。“あのベンチ”はその岸辺に置かれていた。どうということもないベンチは木の根元にあって、次々とカメラを向ける人を迎え入れていた。妻は跳ねるように歩いていくと、ただひとりベンチに座った。そんな人はいなかった。それから妻は、こちらに頭をむけて微笑んだ。風が髪の毛をまきあげる。ぼくはシャッターを押してその姿をおさめた。
昼餉は、マクドナルドでハンバーグ、フレンチフライ、紅茶。
彦根のモールで、妻が土産の菓子を見繕う。北海道の物産店が常設されていて、そこで懐かしい菓子もいくつか求める。
妻の作った夕餉は、ワカメスープ、シーフードのカレーライス。食後に彦根で求めたバターキャラメルや月寒アンパンなんかを。むかしの味はしない。