分け隔てのない教え

 

 

 


晴れ。28度。
7時に起きる。
朝餉は、バナナ、サラダ(レタス・キャベツ・トマト・キュウリ・チーズ・カニカマ・バジル)、味噌汁(ナメコ・サヤエンドウ・油揚げ・豆腐・玉葱・人参・キャベツ)、卵サンドイッチ、アールグレイ。食後にコーヒー。
『ものまね鳥を殺すのは』より抜粋——

 彼女が横目で私を見下ろすと、その目のまわりの小さな皺が深くなった。「あたしたちと同じ食べ方をしねえ人もいるんだよ」と彼女は鋭い囁き声で言った。「でも、同じ食べ方をしねえからって、その人たちに突っかかるんじゃねえ。あん子はおめえの客なんだから、テーブルクロスを食べたがったら、食べさせてあげるんだ。わかったけ?」
「客じゃないわよ、カル。ただのカニングハムだわ——」
「黙んなっせ! その人が誰かなんて関係ねえ。この家に足を踏み入れた人はみんな客だよ。だからもう二度と、その人たちの食べ方について、あんなふうに偉そうな口をたたくんじゃねえ! おめえの家族はカニングハムよりいい家柄かもしれねえが、あんなふうに人を侮辱してるようじゃ、そんなこと何の意味もねえ。テーブルでの食事にふさわしい振る舞いができねえんだったら、ここに座って、キッチンで食べなっせ!」
 カルパーニアは私の背中をピシャリと叩いて、自在ドアからダイニングへと押しこんだ。私は自分の皿を持って引き返すと、キッチンで昼食を終えた。彼らともう一度顔を合わすという屈辱を味わわずに済んだのはありがたかった。

昼餉は、菓子パン、コーヒー。
教育を受けた黒人の女中であるカルパーニアが、主人公の不躾に対して説教をするこの光景がいい。彼女は怒ると文法そっちのけの言葉がつい出てしまう。だがそこには、他者への敬意を教える場合の分け隔てのなさが描かれている。ちなみに、主人公は小学一年生ですでに読み書きができることを若い女教師から叱責されている。お父さんにもう教えないでほしいと伝えなさい、おかしな癖がついてしまうからと。父のアティカスは弁護士の仕事が忙しくて娘の読み書きどころではない。主人公に書くことを教えたのは女中のカルパーニアなのだ。物語は、ここから少しずつ動き始めていく。
夕餉は、納豆、冷奴、ちくわの磯辺揚げとキャベツを添えたアジフライ、味噌汁(ナメコ・サヤエンドウ・油揚げ・豆腐・玉葱・人参)、玉子丼、ビール。食後にコーヒー、ラスク。