彼らに流れるもの

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

晴れ、のち曇り。15度。

7時に起きる。

朝餉は、蜂蜜とヨーグルトをかけたバナナ・リンゴ、キャベツ・大根・カニカマ・チーズ・バジルのサラダ、味噌汁(サツマイモ・キャベツ・玉葱・人参・油揚げ・豆腐・ネギ)、レタス・ハム・卵焼きのトーストサンドイッチ、アールグレイ。

陶器や磁器、鉄、木、樹脂、石膏、布で作られた犬や猫、鳥、仏、ロボット、妖精――。

机や本棚、スピーカーの上、床に置かれたそれらの象りたちは、書斎で気配を放っている。

僕より、はるかに重量と濃い影を持っている。そこで長い時間を過ごした彼らは、もしそれが木であったなら、太い幹に育っているように見える。

彼らには彼らなりの時間が流れている。存在しているというのは、育つことと等しい。

その気配は、いつの間にか、僕という存在を語り始める。僕の気配を代弁するかのように。

昼餉は、ほうじ茶、小豆煮を添えた丸餅のずんだ餡。

長い時間がかかって、僕はようやくそのことに気づく。ずっとこの部屋に居続けた彼らの時間が、今度は僕へ流れ込んでくる。

きっと彼らにも、良いことやそうでないことがあったのだ。

夕餉は、納豆、ポテトサラダ、卯の花、穴子の天ぷら、味噌汁(サツマイモ・キャベツ・玉葱・人参・ネギ・油揚げ・豆腐)、玄米ご飯、ビール。