紅梅に白月

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

晴れ。12度。

7時に起きる。

朝餉は、蜂蜜とヨーグルトをかけたリンゴ、大根の葉とキャベツの醤油バター炒め、キャベツ・大根・竹輪・カニカマ・アオサのサラダ、味噌汁(玉葱・人参・大根・ネギ・油揚げ・豆腐)、バタートースト、アールグレイ。食後にチャイティー。

札幌の姉に手紙を書く。5枚。

妻と散歩へ。3時間ほど、あちこちへ。

昼餉は、フードコートでおにぎり、菓子、お茶。

12年前、僕らは武蔵野三十三観音霊場巡りにとっかかった。秩父の霊場巡りを終えて味をしめたというわけではない。ただ、巡ろうとしたのだと思う。いくつか巡ったものの、社務所が開いていなかったりしてご朱印がもらえなかったこともあり、いつの間にか頓挫した。

散歩の途中で、たまたま思い出してそのことを口にした。妻は、そんなことやった覚えはない、と言い切る。

いや、行ったんだよ。

またまた、混在しているだけでしょ。

そんな押し問答もすぐ終わる。取り止めのない話しは、行き場を探しているうちに迷子になり、沈黙へ向かう。

二人して、時間という地面に、記憶というツルハシを振り下ろす時が過ぎていく。

コンビニで求めたコーヒーを飲みながら、公園の紅梅を見上げる。花の向こうに溶けてしまいそうな半月が浮いている。

夕餉は、豆腐、焼き鮭、味噌汁(キャベツ・玉葱・人参・ネギ・油揚げ・豆腐)、チャーハン。食後に落花生、焙じ茶。

本棚の隅っこに、そのご朱印帳は眠っていた。

蛇腹のノートを利用した手製のもの。幾つかのご朱印とともに、桜や杏の花びらが挟まっている。

妻に見せて、当時のことを少し話す。

霊場巡りはしていた。けれど、行ったと思っていた寺のご朱印はなかった。どちらのツルハシも鈍っている。