古き佳きころ

 

 

 

 

 

 

 

晴れ。12度。

7時に起きる。

朝餉は、蜂蜜とヨーグルトをかけたバナナ、サラダ(サニーレタス・キャベツ・大根・チーズ・カニカマ・バジル)、スクランブルエッグ、味噌汁(赤蕪・玉葱・人参・油揚げ・ネギ・豆腐)、オレンジマーマレードのトースト、アールグレイ。食後にコーヒー。

大橋鎭子著『「暮しの手帖」とわたし』より――

 

 わたしは自分の一番の仕事は、花森さんに思う存分仕事をしてもらうようにする、ということだと思っていました。

 でも困ってしまうこともしばしばありました。

 自分で描いた表紙が気に入らなくて、破ってしまったことがあります。ぷい、と自分の部屋に入って出てこない。寝ているのかと思ってのぞくと天井を向いて考えている。でも描いてもらわないことには本がでません。

 考えていることがまとまらないときなど、黙って出かけて何時間も戻ってきません。大好きなプラモデル屋さんに行って、夢中になってしまうのです。

 花森さんのところで仕事が止まると、印刷所も製本所も仕事が止まってしまいます。当時はできた本を配送するのに貨車を押さえたりもしていましたので、それをキャンセルして新たに押さえなければいけない。お金もかかります。そんなときはわたしが言うしかありません。

「名うての編集長でしょう、今日仕事をしなかったら、押さえているものを全部変更しなくてはいけないでしょう。みんなを困らせないでください。花森安治の名がすたります」

 さんざん困らせておきながら、しかし、花森さんは印刷所や紙屋さん、製本所の人に好かれる人でもありました。

 印刷が納得いく仕上がりになるまで話し込んだり、何度も刷り見本を出させたり、どなりつけたり、インクや髪にこだわって『暮しの手帖』用に特別の紙を作ってもらったこともありました。(中略)

 仕事に対する情熱が、工人さんたちの心を動かしたのでしょう。印刷や製本の工人さんたちのあいだに「暮し会」という集まりができ、いっしょに社員旅行に行ったこともありました。

 

こんなことは、雑誌の世界では二度と訪れないだろう。

昼餉は、焼きうどん、コーヒー。

妻と長い散歩へ。マクドナルドで一服。アップルパイ、フレンチフライ、コーヒー。

STOL型の輸送機が青い空を滑るように飛んでいる。北陸へ物資を運ぶのだろうか。個人からの支援物資も届いているらしいのだが、中を確認して分別していく人員も時間もないという報道を見た。

夕餉は、小松菜のおひたし、筑前煮、鳥胸肉の唐揚げ、味噌汁(サツマイモ・蓮根・シメジ・油揚げ・豆腐・ネギ)、玄米ご飯、赤ワイン。食後に抹茶、花びら餅。