折れることもある

 

 

 

 

 

 

晴れ。14度。

7時に起きる。

朝餉は、サラダ(サニーレタス・大根・チーズ・カニカマ・バジル、ドレッシングも旨くできた)、スクランブルエッグ、味噌汁(シメジ・人参・大根・サツマイモ・油揚げ・豆腐)、バターを塗ったバゲット・トースト、アールグレイ。食後にコーヒー。

家の内外の掃除。処分しなければならない物がたくさん出てくる。

昼餉は、赤蕪の漬物、大根の皮のきんぴら、天かす・ほうれん草・焼き豆腐を添えた温かいうどん。

妻が長いこと使ってきた15グラムの計量スプーンが真ん中から折れてしまう。ふにゃふにゃしはじめていたので、もうじきだねと数日前に話していた。台所でいちばん活躍している道具のひとつなのに、カタチがどうも好きになれなかった。それでも、ごめんごめんと謝ったのはスプーンに対してもだった。それにはそれなりの喪失感があって、笑いながら仕方ないよ、と言う妻の喪失感はもっとだろうことがわかる。

台所の道具は好き嫌いがはっきり出るものだと、料理をはじめてからわかった。ほかのことなら妥協の余地もありそうなのに、こればかりは違う。うっかりすると人格の否定みたいなことにつながる。手仕事にまつわるほかの道具とどこが違うというのだろう。

15グラムくらい目分量ではかれるようになれよ、と思ってきた。今は、はかることも料理のうちと言い聞かせる。味噌汁とかドレッシングといった定量性の権化はとくにそうかもしれないが、ほんのちょっとの味の違いが日々を彩っているのも事実だ。厳密がつまらなくなる分水嶺のような瞬間をなにげなく見張っている。

夕餉は、サラダ(サニーレタス・カニカマ・チーズ・バジル)、大根の皮のきんぴら、味噌汁(シメジ・ネギ・油揚げ・豆腐・玉葱・人参)、妻の作ったカレーライス、ウィスキー・オンザロック。食後にコーヒー、小豆餡の草団子。