登り口に佇む

 

 

 

 

 

 

晴れ。19度。

7時に起きる。

朝餉は、サラダ(リーフレタス・大根・パプリカ・カニカマ・チーズ・バジル)、味噌汁(玉葱・人参・大根・油揚げ・豆腐・小松菜)、卵焼きのサンドイッチ、アールグレイ。食後にコーヒー。

NHKの囲碁トーナメント。山下敬吾9段の独創性と果敢さが富士田明彦7段のそれを上回る。己れに課した棋士としての戦い方にこの人はいつも正直だ。それが逆の結果をもたらしても、彼は常に戦い方にプライオリティを置く。拘泥しているように見えるかもしれない。だが、そこで悩まないことが、彼の強さを際立たせてもいる。見方によっては馬鹿かもしれない。それくらい突き抜けている証左かと思う。

昼餉は、リンゴジャムを塗ったパン、コーヒー。

生き方が下手だと言われる人は、多かれ少なかれそんなところがある。姿勢に重きを置く。時の運より、己れへの忠誠を護る。ロイヤルティに背かないことが、不確かな結果を常に受け入れる最短の方法であることをわかっている。

拘泥する人の常套句は「なんでもいい、勝てはいいのだ。そうすれば文句は言われない」というものだ。そのために鍛錬を怠らなければ結果は必ず付いてくる、と言う。

勝てなかったときに、それを受け入れる方法について、彼らの言葉は意味を持たない。トーナメントを見れば明らかことだ。最後に勝つのは一人か、一グループしかいない。残りは負けるのだ。勝負はゼロサムではない。総和はゼロではない。圧倒的多数が負けて、勝者は常に唯一なのだ。

負け方を学ぶことはできないし、その逆はもっと難しい。つねに変わらず、そこにあり続けるのは己れのロイヤルティだけである。

もっとも、ロイヤルティを揺るぎないものにするのは、勝つために鍛錬を積むことよりはるかに困難な道だ。多くの人が、その山頭を目指すことをためらうのは、道の険しさが窺い知れるからだと思う。

夕餉は、サツマイモの甘煮、大根と人参の煮物、味噌汁(小松菜・大根・玉葱・油揚げ・豆腐)、白菜・人参・ハム・竹輪の中華丼、ウィスキー・オンザロック。食後にカリントウ、アイスクリーム。