受け継ぐもの

 

 

 

 

 

 

晴れ。16度。

7時に起きる。

朝餉は、サラダ(レタス・キャベツ・大根・大豆煮・カニカマ・チーズ・バジル)、味噌汁(シメジ・小松菜・サツマイモ・大根の葉・玉葱・人参・油揚げ・豆腐)、卵サンドイッチ、アールグレイ。食後にコーヒー。

妻はクワイアの稽古へ。夜遅くに戻る。

ジョギング、10.23キロメートル。

映画は、ニール・ブロムカンプ監督『Oats Studios』。SFのような短編10話のオムニバスだが、物語の骨格は既視感のあるものばかり。これを新しいと受け取るのは、よほどナイーブな若者かそれに近い年寄りだろうか。映像の面白さが既視感によって減殺されていく。スピルバーグ監督の長編デビュー作だった『激突!』を観始めてすぐ、ちょっとうんざりしたのを思い出した。ああ、最後まで付き合うのは面倒くさいな、という凡庸への倦怠感に似ている。婆さんになったシガニー・ウィーバーの顔をじっくり見られたのは収穫だった。彼女は、そんな歳になってもどこかもがいて見える。女に特有の焦燥感とは違う。なぜだろう。

昼餉は、菓子パン、ミルクをかけたシリアル、コーヒー。

札幌の姉から電話。誕生日の花束の礼。体の具合はそれほど悪くないらしい。素っ気ない返事。

古書を求める。江國香織著『とるにたらないもの』(集英社)。20年前の初版のハードカバーがページを繰られるのは、どうやら僕で二人目らしい。

日記や随筆は女に限る。この国には女の視線が文字になったものを尊ぶ、濃い血統が流れていて、それを女たちはわきまえている。とても大事な引き継ぎ事項だと肝に銘じているのだ。枕草子、蜻蛉日記、和泉式部日記、更級日記、赤貧日記、富士日記など挙げるまでもないのだけれど。

夕餉は、納豆、ひき肉・白菜・玉葱・人参の中華炒め、味噌汁(サツマイモ・小松菜・玉葱・豆腐・人参・油揚げ)、玄米ご飯、ウィスキー・オンザロック。食後に歌舞伎揚、コーヒー。