おおむね晴れ。16度。
7時に起きる。
朝餉は、蜂蜜とヨーグルトをかけたバナナ、サラダ(レタス・サニーレタス・ツナ・大根・チーズ・バジル)、ハム・ソーセージ・目玉焼き、味噌汁(小松菜・玉葱・人参・油揚げ・豆腐)、オレンジマーマレードのトースト、アールグレイ。食後にコーヒー。
ケーキ屋と花屋へ。妻の誕生日のケーキと花束を受け取りに。秋らしい色使いの花束。
昼餉は、そのケーキと紅茶。花束を渡す。妻が花瓶に生けた。
どれかひとつ絵本を、と言われたら『eric(エリック)』を渡す。オーストラリア生まれのショーン・タンが鉛筆でコツコツ描いた絵。言葉も彼による。
ある日、家にやってきた交換留学生のエリックのことが描かれている。
最後のページの母さんの言葉が気に入っている。どうということもないありきたりの言葉に、人が交わるときの心得のようなものが込められている。
戦争が絶えないと、相手のことを慮れなくなる。心から奥行きが消えてしまい、影も日向もなくなる。いつしか異質であることを嫌悪するようになる。相手のためにちょっと時間を割く。ほんのすこし思いを馳せる。母さんが何気なく口にした言葉は、ヒトとの交わりにさいして忘れてはならないなにかをもたらす。
エリックは、誰の家にも留学生としてやって来る。そして、彼なりの日々を過ごすのだ。
自分のことではなく、エリックのことを思う。それが巡り巡ってこちらへやってくる。時間がかかるのは、なにかが育つにはそれなりのわけがあるからだ。すぐにわかることは、それなりのわけしかないのだと思う。
夕餉は、おでんの鍋、玄米ご飯、スパークリングワイン、ウィスキー・オンザロック。食後にハーブティ、ケーキ。
今の教育は、すぐわかることを第一義にする。その場で手を挙げさせて、理解する速さを競わせる。その瞬発力が求められる場面はほんのわずかしかない。