主役が誰だったのか教えてくれる「も」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

曇り、ときどき雨。27度。

7時に起きる。

朝餉は、蜂蜜とヨーグルトをかけたバナナ・リンゴ、レタス・キャベツ・キュウリ・大豆煮・カニカマ・バジルのサラダ、目玉焼き、味噌汁(玉葱・人参・キャベツ・油揚げ・豆腐)、トースト、麦茶。食後にコーヒー。

日本女子オープンゴルフを2日目から見ていた。さまざまな機微について、あれこれ思うところがあったのだが、なにはともあれ自然を相手にするスポーツとはいえ、景観を作り変え、それをアナウンサーや解説者がなんの疑いもなく美しいと言ってしまう、ちょっとズレた感覚が気になった。海岸線は無惨に削られ、病気になった松林を伐採し、3年越しの工事は削られた地肌がまだ落ち着かない状態だった。ゴルフ場は一見すると自然そのものだが、実は真逆だった。ナショナル・トラスト運動の発祥地では、そういうゴルフ場は許さないと思う。

昼餉はロールパン、アイスコーヒー。

原英莉花は、目を逸らさず、ずっとコースの先を見つめていた。姿勢は変わらなかった。戦っていたのは、つねに己れとだった。内省的な姿は、歩いているときに炙り出される。己れに問いかけ、己れが答えていることがこちらに伝わってきた。

残り2日間、最終組だった菊地絵理香と優勝を争った。黙々と、同じテンポで歩いた。雨の中を、風の中を。声を掛け合うこともなく。だが、互いの存在を力に変えていることがわかった。菊地絵理香は2位を3回取った実力者だが、日本オープンのトロフィーに手が届いたことはない。ベテランらしく、落ち着いていた。原英莉花は、菊地絵理香のプレーに助けられたと思う。その崩れない姿勢は、ヘルニアの手術を経て地獄を見た原英莉花を、戦いつつ支えていたのだと思う。

優勝インタビューで彼女はこう言った。「どん底を経験したことで日々の練習が変わり、何事も前向きに捉えられるようになった。寝ているよりも、予選落ちでも戦っている方がいいんじゃないかと思って、前向きにプレーしてきたことがここにつながった」と。

そして、こう言ったのだ。

「自分を信じて18ホールをまわりきるだけだと思っていた。とても強い菊地選手と戦い、自分も良いプレーができた」

原英莉花は、ちゃんとわかっていた。自分を励まし続けていたのは、隣を歩き、共に戦っていたベテランだったのだと。

自分も良いプレーができた。

この「も」に感じ入る。誰がほんとうの主役だったのかを教えてくれる「も」である。

夕餉は、冷や奴、納豆、マカロニサラダ、焼き塩サバ、味噌汁(玉葱・人参・油揚げ・豆腐)、玄米ご飯、ウィスキー・オンザロック、麦茶。