晴れ。26度。
7時に起きる。
朝餉は、蜂蜜とヨーグルトをかけたバナナ・リンゴ、キャベツ・油揚げ・玉葱・竹輪の卵とじ、味噌汁(油揚げ・豆腐・にんじん・玉葱)、バタートースト、麦茶。食後にコーヒー。
ジョギング、8.20キロメートル。日差しは強くても、風はひんやり。
昼餉は抜き。
あんなに戒めていたのに、スピーカーケーブルを求めてしまう。Belden 8460に文句があるわけではない。秋を迎えて新たな原器を試してみたかった(言い訳である……)。
LINN K20は56本の0.3mm芯線をダンベル型シースに分離して収めたシングルワイア用のケーブル。昨今のてんこ盛りとは違って、シールドもない素朴なケーブルだ。でもって、時間をかけて両端を処理してスピーカー端はバナナプラグに、アンプ端はスピコンに。
さて、どう変わったのか――。
8460の端正で飾らない音は僕の耳そのものかもしれない。どこを切り取っても嫌味がない。均衡が取れて高音から低音まで輪郭のすっきした音を聴かせてくれる。アンプやスピーカーの実力をそのまま伝えてくれる。
他方のK20は、びっくりするくらい低音がしっかりする。ブーミーを嫌うRevoxにおいてさえ芯のある低音を送り出す。刮目すべきは、LINNらしい清涼で透明感のある高音だった。部屋がふたまわりくらい大きくなったような響きになった。知らない味を加えられてしまうか、逆に削られてしまうことの目立つオーディオにあって、こういうことは滅多にない。
値段とLINNというメーカーのことを考えたら、これくらいかもという予想はあった。それにしても、である。
ほんの2時間くらいで音はさらに落ち着いてきた。音を流すほどにケーブルはこなれていく。さて、この音はいつまでこの部屋に居着いてくれることだろう。こればかりは、さまざまな音楽をさまざまなソースで聴いて、時間を経なければほんとうのところはわからない。最初の印象がずっと続くことは、これも滅多にない。ヒトは変わるし、ハードウェアも時とともに変わっていく。
とりあえず、バイワイヤリングで聴いているリビングのスピーカーに8460を使うことにして、モガミだかカナレだかの中途半端なやつを廃棄することに。加水分解しはじめた外皮はもう寿命だった。
妻の作った夕餉は、豆腐の海苔のスープ、そぼろと温卵のビビンバ、麦茶、ウィスキー・オンザロック。食後にチョコレートアイス、歌舞伎揚。
それにしても、あれこれ理屈をこねていたくせに、情けないやら嬉しいやらで……。