日本人の素描

 

 

 

晴れ。28度。
7時に起きる。
朝餉は、蜂蜜とヨーグルトをかけたバナナ・キウィ、サラダ(リーフレタス・レタス・キュウリ・トマト・コーン・バジル・カニカマ)、味噌汁(蕪の葉・油揚げ・豆腐・玉葱・人参)、卵サンドイッチ、アールグレイ。食後にコーヒー。
妻と歩いて映画館へ。白石和彌監督『碁盤斬り』。昨日公開になったばかりだが評判はいい。近くの映画館では今日になって上映が決まった。草彅剛さんが演じた主役の浪人がいい。最後のシーンが彼の佇まいに己れの心象を重ねられたかと思う。古典落語の『柳田格之進』を膨らませて、その部分が物語に奥行きを与えることになった。
ぼくらは折々に時代劇を映画館で観ている。朝一番の上映には20人くらいしか入っていないものの、みな満足そうな顔をして小屋を出た。
草彅剛さんは『ミッドナイトスワン』もそうだったけれど声のトーンがいい。抑制が効いている。なにより含羞がある。それは日本人らしさの素描につながっている。その「らしさ」は一歩踏み誤ると鼻につくのだが、彼は持って生まれたものが真贋を嗅ぎわけているように見える。ヒトはそれを天性と呼ぶらしい。
含羞など微塵も持ち合わせていない俳優たちから無理矢理に引っ張り出してみせたのは監督・小津安二郎である。台詞を棒読みのように言わせ、大袈裟な振る舞いを禁じた。生臭くて不恰好な演技を抹殺した。いまさら言うまでもないが、小津が描いたのは平素の人々の素描である。それは日本人に限らない敷衍性の描出になった。草彅さんはその線上を歩いているのかもしれない。
昼餉は、ファミリーレストランで。妻はハンバーグ、ぼくはボローニャ風ミートソース。二人してドリンクを飲み過ぎる。
大相撲夏場所で、角番の大関・霧島が休場となる。関脇の来場所で10勝しなければならぬ。
夕餉は、食パンの耳、コーヒー、チョコレートアイスクリーム、ウィスキー・オンザロック。