生きる力、死ぬ覚悟

 

 

 

 

 

 

 

曇り。10度。

9時に起きる。

朝餉は、豚バラ肉と野菜のオイスターソース炒め、味噌汁(蕪・人参・玉葱・油揚げ・豆腐・水菜)、ご飯、チョコレート。食後にコーヒー。

映画は、田中征爾監督『メランコリック』。クラウドファンディングで集めた300万円で作った映画は、脚本も含めて監督の演出が光る。無名に近い役者たちの演技もいい。救いようのない仕事をとおして、土壇場の覚悟という手垢のついた価値観に向き合っている。ただ、通り過ぎたかに見えても土壇場はずっとそこにうずくまっている。頑なに動かない。どこまでも追ってきて、いつか呑み込む瞬間を狙っている。そこをどう扱うかは、とても難しい。驚くような低予算であろうと、3秒あれば描けるかもしれない。1000倍の予算をかけようともほとんどの映画は描けていないけれど。

監督の名前は覚えておくべし。

夕餉は、厚揚げ・蒟蒻・大根・ちくわの煮物、味噌汁(蕪・豆腐・油揚げ・玉葱・人参・水菜)、ご飯、ウイスキーオンザロック。食後にコーヒー、ナッツ。

手垢というなら、ほとんどの映画が扱うのは、生まれ代りとか奇跡とか不治の病とか不死身のヒーローとかで、それらがテーマの中心に据えている土壇場の覚悟は、ほんとうに手垢まみれだ。有り得ない物語を使わないと、土壇場の覚悟は描けないと思っているかのようだ。

僕らは、見ようによっては毎日が土壇場で、気づかぬうちに覚悟を決めて暮らしているというのに。

芙蓉の花が、この寒さにまだ咲いている。

 

 

 

 

 

f:id:Tosshy:20211223113751j:plain