晴れ。12度。
8時に起きる。
朝餉は、レーズンロール、バナナ、コーヒー。
映画は、パオロ・ソレンティーノ監督の『The Hand of God』。今年のベネチア映画祭で銀獅子賞の作品。主演のフィリッポ・スコッティがマルチェロ・マストロヤンニ賞に輝いている。イタリア人に家族と少年の成長の物語を撮らせたら敵わない。
この映画を見終わる前から、物語を生み出したくなる衝動に駆られるとしたら、その彼(ないし彼女)は情動豊かな人に違いない。イタリア人は、そういう色鮮やかな服をかけるフックをたくさん持っている。誰もが、自分の服をかけられるフックを持っていて、それを見つけようとしている。
ジョギング、8.12キロメートル。湖面に波なし。
『The Hand of God』より、尊敬する映画監督と主人公の少年の会話。
監督 どいつもこいつも映画を撮りたがる。だが勇気が要る。あるのか?
少年 疑わしいです。
監督 痛みが必要だ。あるか?
少年 さっき話しました。その点は合格です。
監督 何を話した。どんな痛みだ? 君のは痛みじゃなく、希望だ。励ます映画しか撮れない。希望は罠だ。
少年 家族は僕を独りにした。
監督 まだ足りない。誰もが孤独だ。だから関係ない。君は借り物だ。
ウイスキーを求める。『Teacher’s Select』。安いのに『Highland Cream』の方が好ましい。Selectはサントリーが日本向けにブレンドしたものだという。余計なことを必ずする。
夕餉は、卵を入れた坦々麺、ウイスキーオンザロック。
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