そこからの視界

 

晴れ。9度。

7時に起きる。

朝餉は、ポテトサラダ、味噌汁(大根・人参・油揚げ・豆腐・ほうれん草・エノキ)、ロールパン。食後にコーヒー。

 

『すべての美しい馬』より——

 

 

 きみがここでこうしておれと話しているのを見たら、あの男はどういうかな?

 あの人は焼き餅なんか焼かないわ。

 そりゃいい。得な性格だ。嫌な思いをしなくてすむ。

 それどういう意味かしら。

 べつに意味なんかない。おれ、もういくよ。

 わたしのことを憎んでる?

 いや。

 でも、わたしが好きじゃないのね。

 彼は彼女を見た。あんた、うるさい女だな、と彼はいった。それがどうしたってんだ? 気の咎めることがあるんなら、おれに何をいって欲しいかいえよ、いってやるから。

 そんなことをいうなんて、あなたらしくないわ。だいいち、わたし気が咎めてなんかいないわ。ただ、あなたとは友だちでいられると思ってただけよ。

 彼は首を振った。きみがしているのはただのお喋りだ、メアリー・キャサリン。おれはもういくよ。

 ただのお喋りだから何なの? 何もかもただのお喋りなんじゃないの?

 何もかもじゃない。

(後略)

 

 

昼餉は、クッキー、ミルクをかけたシリアル、コーヒー。

 

同じく抜粋——

 

 

 二人は一日中ほとんど口をきかなかった。父親はやや前かがみになって馬に乗り、鞍の角の二インチほど上の処で手綱をつかんでいた。やせた弱々しい体は服の中に埋もれてしまった感じがした。落ちくぼんだ目で風景をまるでよその国で見たきたものによって変容し胡散臭いものになったというように眺めていた。もう二度とその本当の姿を見ることはできないというふうに。あるいはこのほうがもっと悪いがついに本当の姿を見ることができたというふうに。今までもこうだったし、これからもこうだろうという感じで眺めていた。父親よりわずかに前をゆく少年は生まれたときから馬に親しんできたが、そういう風にではなくあたかもかりに不運と何者かの悪意によって馬のいないおかしな土地に生まれていてもどうにかして馬を発見していたであろうという風に乗っていた。もしもそんな土地に生まれていたら彼はこの世界には何かが欠けていると思いあるいはそこにいる自分は本来の自分ではないと感じて、馬を見つけるまでは何時までも何時までも必要な限り捜し続け見つけたときにはこれこそ自分の求めていたものだったとただちに知ることだろう。

(後略)

 

 

 

夕餉は、味噌汁(大根・人参・油揚げ・豆腐・エノキ・ほうれん草)、サバカレーの残り。

30代に、乗馬をやっていた。跨ると、いつもその高さに驚いた。いつもだ。 

 

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