北陸へ

 

晴れ。34度。

6時に起きる。

妻の運転で福井県南越前の花はす公園へ。

車中の朝餉は、ポテトサラダとマヨネーズ・ハムのサンドイッチ、ミックスフルーツジュース、とうもろこし。

8時頃に着いたときは、すでに33度になっており汗だくになって歩く。

ハスは2割ほどが咲いていた。大小さまざまの花はそれでも見事な咲っぷり。2週間くらい前に来れば、きっと景色に圧倒されただろう。妻の満足そうな声。

それから越前海岸へ足を向けて海岸を北上した。内陸へ入れば鯖江だったので、カメマンネンの壊れたフレームのことがチラッとよぎる。海は夏休みでごった返しているだろうに、どこも地元の子どもたちが小さな入江で泳ぐ姿がちらほらと。

ずいぶん前から廃墟になているだろうホテルや旅館が哀愁を誘う。海より、そちらの方が僕には目の保養になる。顧みられない大きな建物の朽ちよう。そこでしか見られない哀切の風情。色濃く残る人々の声や汗の臭い。

昼餉は、南越前に戻って今庄でおろし蕎麦を。すすった途端、辛い!と妻。辛味大根は、そんなものだと身構えていない舌に喝を入れてくる。後味はさっぱりしているのだが。口直しに、甘み処で黒蜜をかけた白玉団子を。

敦賀経由の帰りがハイライトだった。列車が通らなくなった旧北陸線の11のトンネルをクルマで潜っていく。心霊スポットにもなっているだけあって怖いことこのうえない。妻の運転だからなおさらだ。

クルマ一台分の幅しかないトンネルが続く道は山の中。対向車が来たらどちらかが後退するしかない。ところどころに設けられた信号が3分待ちだの5分待ちになって交通整理らしきことをしている。トンネルは小さなライトが細々と灯る暗闇である。出口も見えず、ライトさえないトンネルも中にはある。トンネル内は水が滴り、生温い。ハイビームに照らされた先は霧と闇が遮っている。

いきなりおろし蕎麦を食べさせられたような。生きた心地がしなかった。

湖岸通りを走って夕方に帰り着く。

汗だく、でも気分はヒヤヒヤだった。

夕餉は、キュウリ・カニカマ・竹輪の酢の物、大葉を巻いた鶏肉ハンバーグのポン酢がけ、味噌汁(人参・玉葱・小松菜・エノキ・豆腐)、トウモロコシ玄米ご飯、モヒート、麦茶。食後にクッキー。

少しずつ夜気が訪れるものの汗は引かない。扇風機を回しながら床に就いて、やっと人心地。

 

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