すこし断食

 

曇り。ぱらつく。20度。

8時に起きる。

今日は、軽い断食。ルイボスティ。

「久しぶりにどうよ?」と誘って来たのは妻だった。いいね、と言って僕はすぐにやろうと言った。1日くらいなら準備もいらない。

朝餉を抜いただけで、腹が鳴る。さっそく脳が騒ぎはじめて、それがうるさい。

昼餉は、食パン1枚、豆乳、ルイボスティ。

なにもつけていない食パンが旨い。豆乳の調整した甘さが脳に刺さる。

胃袋が食物を渇望しているような気配はない。相変わらず、騒いでいるのは脳だ。

本を求める。ジャン=アンリ・ファーブル著、奥本大三郎訳『完訳 ファーブル昆虫記 第5巻 上』(集英社)、保坂和志著『季節の記憶』(講談社)。どちらも古書。

夕餉は、煎餅とシリアル、ルイボスティ。

Zoomでミーティングを終えた妻が、頭が痛いといってソファに寝込んでしまう。断食か、それとも気圧のせいか。

夜半になって復活。

内臓を休ませるなら、いっそ心臓も。そう考えてみるも、具体的なことが浮かばない。そのあいだだけ、脳が鎮まっている。

キャンプに行って、火を熾こし、夕餉を摂る動画を見ている。肉を焼いたり、煮たり。魚を喰らい、飯を炊く――どこかで仕入れて来たようなキャンプのマナーが続く。小洒落たツールの見本市が繰り広げられていく。

ここぞとばかりの一人飯を、不特定多数に見せる。

君がほんとの一人旅なら、そうはしないだろう。

 

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