晴れ。26度。
7時に起きる。
朝餉は、ポテトサラダ、大根・サニーレタスのサラダ、トースト、アールグレイ。食後にコーヒー。
ハイファイ・オーディオには、大事なことがある。
それは、後から足すな、だ。
良かれと思って施したことは、巡り巡って、音を汚す。動機は善行から発しているのに。
音の艶が違う、低音の陰影が曖昧だ、音の波が痩せている――言い出せばキリがない。ひとつを足せば、次が出てくる。その行列に、終わりはない。
ただ、手元の音に耳を傾け続ける。言いも悪いもない。護るべきはそれだけだ。
鳴っている音は、唯一無二だ。まだ見ぬ世界はかならずあるが、どこへ行こうと、聴こえてくる音はそこだけの音だ。
昼餉は、妻が作ったざる蕎麦、焼売。
ハイファイ話の意味するところは、敷衍についてである。
それは、Key of Life――なんにでも通じる。どこへでも通じている。眼前のことに正対できれば、まだ見ぬ世界は、そこにあると気づく。
夕餉は、ポテトサラダ、サバの味噌煮、ワンタンスープ、チャーハン。
今晩も、妻がろうそくを灯して、部屋の電気を消す。
今日の感慨をボソボソと。ありきたりのことを話していると、いつの間にか、火が消えている。