四則演算が描く感情

 

晴れ。17度。

6時に起きる。

朝餉は、バナナ、ヨーグルト、キュウリとカニカマの酢の物、キャベツとパプリカのサラダ、ハムと目玉焼き、味噌汁(大根・人参・玉葱・油揚げ・エノキ)、トースト、豆乳、フルーツティ。食後にルイボスティ。

NHKの囲碁トーナメント。志田達哉八段が張豊猷八段に勝つ。大きな振り替わりがあって、プロらしい計算の妙味。

半目差で勝てるということを、今のAIは計算で導き出せるらしい。それがどんなに計算に依っているとはいえ、巡り巡ってある種の思惑の表現に結果的になっているのだと思う。感覚的な描出が計算によって表現できることを、AIの囲碁プログラムは証明していることになる。

これは想像に過ぎないが、AIは個別の人間性を高い確率で把握できていると思う。目の前にいる人物の性向とか表層には出てこない衝動性と言ったものを言い当てられるかもしれない。

ただ今は、それを自然言語に変換することができない。囲碁の指しまわしという、ひょっとしたら自然言語より面倒な伝達ツールによって表現できるということなのかもしれない。

昼餉は、歌舞伎揚げ。

AI囲碁の専門性は、そういうまわりくどさのおかげで僕らの実感にならない。面白いのは、僕ら凡人にはまわりくどく見えるだけなのだが、実はとても直截的にその脅威を物語っていることに、僕らはなぜか気づいていない。

トーナメントを見ながら、そんなことをぼんやり考えていた。

夕餉は、大根とジャガイモの煮物、豚バラ・キャベツ・パプリカ・玉葱・人参の中華炒め、味噌汁の残り、ご飯、赤ワイン。