ハイスミスがリプリーを愛したわけ

 

 

 

 


曇り。15度。
6時に起きる。
朝餉は、蜂蜜とヨーグルトをかけたバナナ、卵サンドイッチ、アールグレイ。妻がクワイアの合宿でご天板へ。卵サンドイッチを作って持たせる。帰りは明日の夜。
Netflixで8話ドラマ『リプリー(原題:Ripley)』を観続ける。監督はスティーヴン・ザイリアンで脚本も担当している。原作はパトリシア・ハイスミスの『トム・リプリー』シリーズ。全編モノクロで描いたこのドラマは久しぶりに見応えがあった。アラン・ドロンが主演した『太陽がいっぱい』へのオマージュもあるものの、リプリーという青年は欧米で超のつく人気者である。誰のうちにもトム・リプリーは潜んでいるという証しだろうと思う。もちろん、ぼくのうちにも彼は棲んでいる。でなければ、この世は単色でひどく退屈に見えることだろう。リプリー役のアンドリュー・スコットは、過去に主演したアラン・ドロンやマット・デイモンより少し歳を取っているところに難があるものの複雑な主人公の内奥を好演している。
昼餉は、ピスタチオのスプレッドのサンドイッチ、抹茶ラテ。
パトリシア・ハイスミスは遅れて日本に紹介された作家といっていい。主な翻訳をしている河出書房新社はもう少し力を入れてもいいと思う。ちなみに、映画『シンドラーのリスト』でアカデミー賞を取ったスティーヴン・ザイリアンは本作でもその嗜好をいかんなく発揮している。
ハイスミスを読んでこなかったツケが回っている。短中編集は目が飛び出る値段がついている。最初に翻訳したのは吉田健一らしい。彼の慧眼には驚かせられる。
夕餉は、マカロニサラダ、コロッケ、シジミの味噌汁、キーマカレーの残り、ウィスキー・オンザロック。