その瞬間にあって……

 

 

 

 

 

 

 

晴れ。10度。

7時に起きる。

朝餉は、蜂蜜とヨーグルトをかけたりんごとバナナ、キャベツ・ひよこ豆・大根・カニカマ・竹輪のサラダ、味噌汁(シメジ・玉葱・ネギ・人参・大根・油揚げ・豆腐・キャベツ)、卵サンドイッチ、アールグレイ。

NHKの将棋と囲碁トーナメント。

藤井竜王が妙にじっくり指している。これまで、NHKのトーナメントは急かされるようにして前のめりだった。姿勢は相変わらずの前のめりだが、指手は真逆に見えた。強くなったというよりも、己れとの戦い方を見出しつつあるような。

勝負師へと擬態する人のたぐい稀な瞬間が電波にのって日本中に届いている。

昼餉は、ビスケット、ジンジャー・ターメリックティー。

この1週間、ずっと愉しんでいたカーリングの日本選手権。夕飯の仕込みをしながら女子の決勝戦を見るともなしに。

ロコ・ソラーレのお嬢さんたちは風格のようなものが出てきた。

目の前の石に没入しているのに、どこか異なる目が常にあって、会場のどこかからも彼女たちは見ている。

そりゃがんばるのだが、運不運もあるし、相手の好不調もある。

それらを丸ごと受けとめて、手繰り寄せられる力の沸点を探っている。

そういう機微を体が知っている。

夕餉は、漬物、切り干し大根煮、広東風の麻婆茄子すこし焼き豆腐入り、焼き鮭、味噌汁(大根・玉葱・人参・ネギ・シメジ・油揚げ・豆腐)、玄米ご飯。食後に煎餅、焙じ茶。

笑顔で戦う、鼻をすする、氷を見ながら滑る、声を張りあげる、タイムを取って相談する、スウィープできない、カムアラウンドを決められてしまう、ごめんと手を挙げる。

挙措はほかのチームと変わらない。

でも、彼女たちには、そのなにかがふわりと舞い降りている。