大きくて鮮やかな刻印

 

 

 

 

 

 

曇り、のち晴れ。24度。

6時に起きる。

妻は今朝も畑の根っこ掘りをやっていたと。週間単位で留守にするので、ジャガイモとかサツマイモ、カボチャなんかを植えてみてはとLINEでやりとり。

朝餉は、蜂蜜とヨーグルトをかけたバナナ、レタス・キュウリ・大根のサラダ、味噌汁(小松菜・油揚げ・豆腐・大根・玉葱・人参)、トースト、ほうじ茶。食後にコーヒー。

ホームセンターに寄って、工具売り場を回る。クロスバイクのステムボルトがすっかり錆びてしまい、自転車屋の主人にそれは自分で変えてください、と言われた。

鉄のボルトはすぐ錆びて当たり前だから、チタンのを求めようと思ったが、そんなものは売っていない。全国展開している自転車屋にも寄ったが、もちろん置いていない。

仕方ないので、高強度64のウルトラチタン製をネットで注文する。M5/18mmのワッシャー付き。

最初、アルミ製で済ませようと思ったのだが、「ひっぱり強度に問題がありますからね」と、それを見透かしたように店主が釘を刺したのだった。

昼食は、マクドナルドでフレンチフライ、チーズバーガー、アイスコーヒー。

窓際で食べていたら、通りかかった女性がこちらをしげしげと眺めている。目が合うと、そばに来て手を振る。

どこかで会ったかな?

……思い出せない。

でも、彼女はある種の確信があるように、手を振りながらこちらを見つめている。間近で。

いや、思い出せないのではない。マスクをしていたって、わかるものだ。

僕はスマホの画面に目を戻した。わかるとは言っても、彼女ほどの確信があるわけではなかったけれど。

彼女は、しばらく窓越しに立っていた。

食べ終えて、ふと目をあげると、少し離れた席にその女性が座っている。ゾッとする。

外へ出て、少し歩いて後ろの気配をうかがったが、付いてくる様子はなかった。

分裂症だと思う。そんなふうにして、自分で決めた席の人に手を振るのだろうか。

それとは別に、小さな男の子が窓にへばりついて僕になにかの合図を送ろうとしていた。

きっと、大きくて鮮やかな印が、今日の僕には付いていたのだ。

夕餉は、チャーハン、ウィスキー・オンザロック。