独裁者とIHコンロ

 

 

 

 

 

 

曇り、ときどき雨。12度。

8時に起きる。

朝餉は、バナナ、目玉焼き・ウィンナーソーセージ、味噌汁(ナメコ・玉葱・人参・ネギ・油揚げ・豆腐)、リンゴジャムを塗ったトースト、紅茶。

ロシアの立法・行政機構は、民主化を装った換骨奪胎の独裁だが、プーチンは独裁者として十全なのかという疑問を寄せる専門家が増えている。彼はすべての情報を掌握しているのか。判断のよすがは誰よりも多いのか。

要は、独裁者らしく独裁しているのかということだ。

ウクライナに侵攻した時点でさえ、そのことを疑問視する声はあったらしい。健康不安説もそのあたりに端を発している気がする。

独裁者なら、独裁者らしくしろ――なんだか不思議な物言いだが、間違った情報で間違った判断をされると困る(西側らしい撞着がここにはある気もする)。

自由主義国は、そんなことまで心配し始めている。

帝政の頃から大部分のロシア人はずっと貧困に喘いできた。あまりにも貧困漬けだ。それだからこそというべきか、ロシア人は、幸福が貧困とは別のところに芽生え、育っていく枯れることのない花であることを知っている民族だ。

プーチンは、ロシア人の一人に違いないけれど、独裁者という服はとても着心地がいいだろうと思う。

その服を着て、曇らない目を持ち続けることは、自分がロシア人だと自認することよりはるかに難しいことかもしれない。

夕餉は、大根・カボチャ・厚揚げの煮物、味噌汁(小松菜・人参・玉葱・ネギ・油揚げ・豆腐・ナメコ)、ポークカレー、ウィスキー・オンザロック。食後にあんこ餅。

IHコンロの勘所がつかみにくい。数字と火力の相関が鍋やフライパンによって違うような(火力とはいっても誘導加熱しているだけだし)。一方で、タイマーセットして近くに買い物に行ける。火を使っていないという大らかな気持ちにどうしたって負ける。

沸騰停止の機能がない安いIHコンロは、新築の際の参考のつもりもあったけれど。

煮炊きには、本来、ある種の乱暴さがともなう。火は、そもそも暴力的なものだ。僕のような料理の新米は、どうしたって火の乱暴さを好ましく思う。炎を見れば、ヨシっ、と知らずに気が入る。おのずと、腕まくりもする。前のめりになる。

IHコンロは、のっぺりしている。ヨシっ、がないのは、真っ平らな調理面のせいかもしれない。あの真っ平らさは、平穏さの象徴みたいなのだ。

静かに煮炊きしていると、どうしたって間違いを犯している気になる。不思議な感覚だ。

今月の総括をば。アクティビティは2日。総距離は16.61キロメートル。スクワットも少しずつ。