ひょこひょことボタンインコが……

 

 

 

 


晴れ。11度。
8時に起きる。
朝餉は、サラダ(キャベツ・大根・チーズ・カニカマ・バジル)、シチューの残り、バタートースト、アールグレイ。食後にコーヒー。
昨夜、ソファーで寝てしまった妻につきあって、ずっとテレビを見続けた。夜半をすぎて目をさました妻がかたわらのぼくをみて驚く。妻の夜につきあったのは久しぶりのこと。左肩の痛みがベッドへ行くことをためらわせたこともある。
ソファーでのうたた寝を母の十八番だと思っていたのは、まだ女の素顔というものを知る前のこと。女たちが知っている心地良さは猫が生得しているものに通じている。こんな男でも寄り添っていれば安眠できるらしい。我が家にいた猫も冬になるとぼくのかたわらにのそのそとすり寄ってきた。できればそんな行為は気づかれたくはないという風情で。
昼餉は、中華スープ、焼きそば、コーヒー。
妻と散歩へ。たくさん歩いたつもりでスマホを見るとありゃりゃ。連れまわすものだから、このところの妻は「散歩行こっ」と声をかけると声がいちだん低くなる。声が高まるのは家が近づいてからだ。
夕餉は、小松菜のお浸し、里芋の煮っ転がし、味噌汁(ナメコ・大根・玉葱・人参・油揚げ・豆腐・小松菜)、コロッケを乗せた玉子丼、赤ワイン、ウィスキー・オンザロック。
さあ、できたよぉ。声をかけると妻はテーブルに来る。並んだ皿を一瞥して「手際がいいねぇ」と。ボタンインコと暮らしている。そんな気になるときがたまにある……。
小澤征爾さんが逝った。なんといっても『ボクの音楽武者修行』を若い人は読むべきかと思う。藤原正彦さんの『若き数学者のアメリカ』といい、日本の若者が世界へ勇躍していく姿を自ら綴った双璧かと思う。