D-デー、決まる

 

 

 

 

 

 

曇り。25度。

朝餉は、ペンネ・トマト・キュウリのサラダ、サツマイモの甘露煮、茄子の煮浸し、ホッケ開き焼き、味噌汁(ズッキーニ・ナス・三度豆・人参・油揚げ・豆腐・ネギ)、ご飯。

Victorinoxのシルバーのクラシックが届く。シルバーにはピンセットと爪楊枝がないことに気づく。ノーマルのクラシックより厚みがなくて小さい。ハンカチより先にパンツのポケットにしのばせるくらい、クラシックはなくてはならない。紛いモノも捨てられず。

姉と病院へ。看護師、ソーシャルワーカー、ケアマネージャー、訪問看護師、ヘルパーというチーム陣容でミーティング。母の退院に伴うあれやこれや。看取りまでの看護のありようを確認する。点滴や積極的治療は行わず、母の力が続くまでの介護を前提にするものの、都度の判断は入れ込みつつ対応することを共有した。意識がなくなっても酸素マスクはしない。救急救命もしない。

札幌でも自宅での看取りは少ないと思う。全国平均でも8割以上は病院で看取ると聞く。’70年代くらいまでは終末期といえば自宅だったはずだが。

病室に寄って、母を見る。バイタルは変化なし。相変わらず寝ているが、姉が話しかけると目を覚ます。声もいくらか出る。朝餉、昼餉とも量は少ない。来週退院だよと話しかける。うなずいたが、どこまでわかったか。

薬局で、買い置きが底をついた抗原検査キットを求める。

母の状態は良いとは言えない。入院した頃に比べたら、それは明らかだ。自宅に戻ったことを母がわかれば、それでよしとしようと思う。

残されている時間に想いを馳せている暇はなさそうだ。

姉は夕方前に夕餉を済ませる。

為すべきことはほとんどないのだと言い聞かせる。母は自分の力が許すところまで生きる。

夕餉は、ペンネとトマトのサラダ、ハム、鶏胸肉のソテー、卵かけご飯、ウィスキーのトワイスアップ。