消える寸前の大きさ

 

 

 

 

 

晴れ、のち曇り。35度。

6時に起きる。

朝餉は、蜂蜜とヨーグルトをかけたバナナとキウィ、柘榴酢ジュース、コーヒー。

子ども会が主催の雑紙や古布の処分日。倉庫から引き取った本の処分がだいたい終わる。

十把一絡げに紐で縛っていた最初の頃がちょっと悔やまれる。

 

ズボンの左ポケットには必ずペンを入れる。今は三菱のプルシャンブルーのちびた色鉛筆とエルメスの同じようにちびたシルバーのボールペン。これにRhodiaのN.11(70×100ミリ)のちびたメモパッドを持っている。この取り合わせは、季節や気持ちによって変わる。変わらないのは、ちびたペンは左ポケットというところだけ。

右ポケットの3徳ナイフは、ビクトリノックスがエルメスになることもあるけれど、ちびた3徳という点はこれも不動だ。切ったり外したりほじくったり磨いたりは、これでだいたい賄える。家にいても、外へ行くときも必ずしのばせる。

今、気づいたけれど、ペンと剣をしのばせているということなのかもしれない。

エルメスというブランドは男のズボンのポケット事情を知悉していると思う。小さな巻尺ももちろん作っていて、これは常にポケットというわけではないけれど、バックパックにしのばせておくと便利なことこのうえない。

昼餉は、妻の作った小松菜の卵炒め、ざる蕎麦。

たとえば、たい焼きを1匹買って、2人で分けるのに三徳ナイフをひっぱりだす。電話の相手が何かの数字を口にしたらしい。ちびた色鉛筆を差し出してやる――そんな具合だ。

ちびた、というところが大事なのだ。なくしそうで、これが滅多なことではなくならない。ちびたモノは、それ以上に小さくなりようがないので、神さまが残しておいてくれるらしい。

普通のペンを持っていると、すぐにわかる。気づくと消えているのだ。

夕餉は、冷奴、キャベツ・トマト・きゅうりを添えたアジフライ・鶏胸肉フライ、味噌汁(シメジ・油揚げ・豆腐・ネギ・玉葱・人参)、玄米ご飯、ウィスキー・オンザロック。食後にほうじ茶、アイスクリーム。