神の目

 

 

 

 

 

晴れ。26度。

7時に起きる。

朝餉は、蜂蜜とヨーグルトをかけたバナナ、レタス・キュウリ・トマトのサラダ、味噌汁(小松菜・ジャガイモ・シメジ・玉葱・人参・油揚げ・豆腐)、トースト、紅茶。食後にコーヒー。

少なからず堆積していく書類の紙には、密やかなもののひとつくらいはかならず記されている。それらを処分することは、誰かの目にそれを晒してもかまわないという覚悟を強いる。

ドキュメントは厄介なものだ。

焚き火に片っぱしから放りこめる暮らしに想いをいたすのはそんなときだ。薪ストーブはきっと、許されざる物事を無理に突き止めようとせず、曖昧なままの形にして忘れ去れる最良の手段だと思う。

若い頃には癒しに見える炎が、この歳になると大きな安穏をもたらす。消えて無くなったという結果がもたらす安らぎ。それは、人生で最上の安穏だと思う。

昼餉は、豆乳をかけた大豆のシリアル、コーヒー。

工房に注文しておいた革のブックカバーが届く。素朴な風合いで柔らかい革は手触りがいい。四六判も注文することに。

妻からいよいよ木の伐採が始まったと。駅界隈でもっとも大きな木が義母の畑に立っていた。植木屋でさえ名がわからない木があることをはじめて知った。5階建てビルより丈があった。近隣の家に伐採することになったと詫びに行ったのは桜の頃だったか。

4月の終わりに小さな花をたくさん摘けた。散るときは吹雪のようだった。

誰だって気になっていたし、遠くからでも見えただろう。

国道を挟んだ山の際に住む人が妻に連絡してきたのは、まだ木を切っているときだったらしい。その家の人は、薪ストーブに使う薪にしたいと申し出てきたという。

かねてより妻は、伐採された木の行く末を案じていた。拾う神はどこで見ているのだろう。

夕餉は、豆腐、納豆、豚ひき肉と小松菜・玉葱のあんかけ炒め、味噌汁(シメジ・カボチャ・玉葱・人参・油揚げ・豆腐・小松菜)、玄米ご飯、ウィスキー・オンザロック。食後にコーヒー、チョコレート。