迫りくる依頼者

 

晴れ。10度。

8時に起きる。

朝餉は、キュウリとカニカマ・ワカメのサラダ、キャベツとパプリカのサラダ、味噌汁(大根・人参・玉葱・小松菜・豆腐)、カレーライス、ルイボスティ。

古い銀製ボールペン。インクの出なくなったリフィルを買い換える前に、ヘアドライヤーで熱風をたっぷり当ててやる。油性インクを使い切る人なんて滅多にいないからだ。いつか買い換えるにせよ、これでとうぶんは賄える。数十年前のインクが、紙の上で文字に変わっていく様を眺める。

昼餉は、卵をのせた醤油ラーメン。

姉から、生ハムの贈り物。ケーキのお返し。気を遣わないようにと、返礼の電話で。両親はなんとか生きていると。

夕餉は、味噌汁の残りとカレーライス、ルイボスティ。

深夜の教育TVで、坂本龍一さんのドキュメンタリー映画『CODA』。観るのは2度目だが、ニューヨークの彼のアトリエでの様子。とても寒そうにしてらっしゃる。修道僧みたいに見える。

ベルトリッチ監督との回想。いきなり依頼されたり、土壇場で変更を求められたり。そのリクエストに応えた頃の楽曲はどれも素晴らしい。イニャリトゥ監督との新しい作品もそうだが、映画音楽は彼から自意識を取り去る装置的な役割を果たしている。どれもメロディーが美しく、忘れがたい。

収録直前に、ベルトリッチが書き直して欲しいと坂本に言う。スタジオには、オーケストラがスタンバイしている。渋る坂本に、ベルトリッチは言う。

「エンニオ・モリコーネはやってくれたよ」

それに触発されて、坂本はオーケストラを30分待たせて、あの曲を書き上げる。

『The Sheltering Sky』のエピソードだ。

 

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