つきたて

おおむね晴れ。
七時に起きる。
朝餉は、キャベツと白菜、人参、サツマイモ、シメジ、椎茸、ハム、竹輪の卵とじ、味噌汁の残り、フレンチトースト、ヨーグルトと蜂蜜のバナナミルク、杜仲茶
食卓でキーを打つ。はかどらず。
そういえば昨夜、NHKのドキュメンタリーで京都の私設図書館の三日間を追っていた。さまざまな人が肩幅ほどの空間に曇りガラスの仕切りを隔てて座っている。医者を目指す小学生、数学者として錆びつかないよう問題を解く初老の元教師、オランウータンを研究する若い学者、麻雀で留年した大学生は麻雀本を読み耽る。
図書館というより交差点のような場所。なにかを待っているようでもある。
義姉の家で餅つき。甥っ子や姪っ子の家族と鏡餅を拵えてから、きな粉餅、おろし大根餅、ゴマ餅を頬張る。義姉の家の男たちは嗜まないということで、ジョニー・ウォーカーの八〇年代黒ラベルを頂戴する。腐ってないと思うけど、と義姉。この頃までのジョニ黒はほんとに旨い。ありがたく小さな氷を浮かべていただく。
通勤のために買ったEDWINのジーンズがとてもいい。染めも縫製もすべて日本製で、手触りがいい。ジーンズを買うことはもうないと思っていたが、この際だからと奮発した。奮発とはいっても七千円だ。もう買うまいと思っていたモノに良い出会いのあった年だった。メガネフレーム、キーボード、そしてジーンズ。どれも枯淡の具合が素敵である。なにより、余計なことを考えていないのがいい。
左小指のばね指がほかの指に広がりそうな気配がある。目覚めてすぐ、指全体が強ばっている。微かに痛みもある。左半身が収縮し続けた義母のことが浮かぶ。その痛みは想像さえできないが、この嫌な感じの先に義母の四肢があるような気がするのだ。
夕餉は、おでんの残り、卵とじの残り、カップ麺、ロールパン、杜仲茶。食後にロールケーキ。