俺に言ってんのか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おおむね雨。30度。

7時に起きる。

朝餉は、蜂蜜とヨーグルトをかけたバナナ、レタス・キャベツ・トマト・大根・パプリカ・大豆煮・チーズ・カニカマ・バジルのサラダ、味噌汁(玉葱・人参・ネギ・油揚げ・豆腐)、チーズとハムのトーストサンドイッチ。食後にコーヒー。

台風が関西に上陸して北上。鳥取市の被害が甚大。

バイクを漕いで、髪をカットに。いつものツーブロックより短くしてもらう。

札幌の姉より手紙。妻が十和田から投函したハガキの返事。庭の剪定が終わったと。連日の暑さに体の調子を崩したらしい。鯖江の職人さんへ送った中元の返礼も同封されていた。

『孤独のアリア』より抜粋――

 

 グールドは、狂おしいばかりの楽器への肉体的執着を他人にも自分自身にも隠すため、「たまたまピアニストとなったコミュニケーション人間」というシステムをつくりあげはしなかっただろうか。たしかにグールドはピアノにさからって演奏したが、有名な表現を彼にあてはめれば「完全に逆立ちしている」のだ。自分の心情、ひねくれた意地悪さ、人を欺く誘惑などについて走り抜いていた。

 彼をとらえ、彼を見抜くことができるような瞬間がある。昔シムコウ湖で釣り上げた魚が跳ねて、光り輝きながらうごめく腹を見せたとき、言いがたい感情が生じたのに似ている。彼はその一瞬のあいだ、このどうすることもできない状況そのものとなり、この悲しみそのものと化していた。あるいはまた、スタインウェイの輝き、鏡のような鍵盤の輝き、そしてあの暗さとはかりしれない深みを見つめていると、彼の目に浮かんでくるのはあの湖、寄せては返す波そのものの姿なのだ。

 

妻とNHK BSでコッポラ監督『ゴッドファーザー Part II』を。この映画でアカデミー助演男優賞を取ったロバート・デ・ニーロの美しい顔、僕は観るたび驚嘆している。2年後の’76年に『タクシー・ドライバー』を撮ったときの狂気の顔は、例のセリフ「You talkin' to me?」とともに、同じ人間が演じていることの摩訶不思議を浮き彫りにしている。あのセリフが即興だったことはこれまた驚嘆に値する。アメリカ映画の名セリフベスト100で第10位に選出されているのも、あのシーンの薄ら笑いの顔がなければ意味をなさない。真夏になると、モヒカン刈りへの衝動と戦うことになる僕はタクシー・ドライバー症候群である。

夕餉は、納豆、キュウリと梅肉の鰹節マヨ和え、ハム・野菜の中華風炒め、味噌汁(ナメコ・ネギ・油揚げ・豆腐・人参・玉葱)、玄米ご飯、ウィスキー・オンザロック。食後にあずき団子、アイスコーヒー。