はまり役の後ろ姿

 

 

 

 

晴れ。35度。
7時に起きる。
朝餉は、蜂蜜とヨーグルトをかけたバナナ、サラダ(リーフレタス・トマト・キュウリ・大根・バジル・カニカマ)、味噌汁(シメジ・大根の葉・小松菜・油揚げ・玉葱・人参)、卵サンドイッチ、栗あんぱん、アールグレイ。食後にコーヒー。
古書が届く。南方熊楠著、中沢新一編『南方マンダラ』(河出文庫)、J.D.サリンジャー著、柴田元幸訳『ナイン・ストーリーズ』(ヴィレッジブックス)、テッド・チャン著、大森望訳『息吹(原題:Exhalation)』(早川書房)、トルーマン・カポーティ著、村上春樹訳『ティファニーで朝食を(原題:Breakfast at Thiffany's)』(新潮社)。
サリンジャーにせよカポーティにせよ折にふれて親しんできたのに、どこかに置き忘れたような気になっている。新しい翻訳者の手を借りての再訪という感じだ。でも『ティファニーで……』だけは映画も含めてちゃんと触れていない。ヘップバーンは好きなのに彼女の演技を観たいと強く思わない。『尼僧物語』と『ロビンとマリアン』、『ローマの休日』はかろうじて観ている。強く残っているのは『尼僧物語』の最後のシーンだけだ。還俗して修道院の扉を出ていく主人公が路上で立ち止まる。それからおもむろに道を歩き始める。修道院の開いた扉の内側から、彼女の姿をカメラはずっと引きで捉えつづける。扉が閉められないままであることにいたく胸を打たれたことを覚えている。
昼餉は、あんぱん、アイスコーヒー。
ジョギング、4.57キロメートル、最大心拍数124bpm、最高速度10.4kph。
ヘップバーンは、ナイーブでそれにふさわしい可憐さをあわせ持っている。同時に芯の強さを感じさせる。顎の線にそれがあらわれている。『尼僧物語』のシスター・ルークはまさにはまり役だった。
夕餉は、納豆、冷奴、トマトとポテトサラダ、大根の皮のきんぴら、レタスを添えた甘辛ダレの肉団子、味噌汁(シメジ・小松菜・大根・油揚げ・玉葱・人参)、玄米ご飯、ウィスキー・オンザロック。食後にコーヒー、かぶきあげ。