岡本太郎、のちパンダ

 

 

 

 

 

 

 

 

曇り。8度。

7時に起きる。

朝餉は、蜂蜜とヨーグルトをかけたバナナ、キャベツ・大根・ツナのサラダ、ハムと目玉焼き、味噌汁(大根・玉葱・人参・ワカメ・油揚げ・豆腐)、ブルーベリージャムのトースト、アールグレイ。食後にコーヒー。

昆布・鰹節で佃煮つくり。大根の皮の漬物はまだ道なかば。

出汁と砂糖、醤油のにおいに台所が満ちて、食欲が胃袋から這いあがってくる。

昼餉は、磯辺巻きを作ろうとして(作るというほどのものじゃないけれど)、海苔はどこかなと妻にメッセージを投げる。20分ほどして妻より返事。

「ありました! でも食欲がなくなってしまった」

――僕の返事に、妻は無言で。

本が届く。山口晃著『ヘンな日本美術史』(祥伝社)。小林秀雄賞を受賞している。

この人の文章は衒いのない平易なものでサラサラと読んでいけるのだが、一方で、画家としての視座がしっかりしている。読みとばしてしまうと肝心なことがなにひとつ頭に入らないまま読みおえてしまいかねない。注意して読んでいても、いつのまにか緊張が解けていて、鼻毛のひとつも抜きながらぼんやり読んでいる。そして、ぜんぶ忘れてしまっている。

ある意味では、理想の読書かと。

夕餉は、大根皮の漬物、佃煮、豚バラ大根、餃子、味噌汁の残り、玄米ご飯、赤ワイン。食後にコーヒー、皮付きピーナッツ。

妻は上野の東京都美術館へ。かねてから切望していた『展覧会 岡本太郎』を見たと。金曜は夜8時まで開場しているのをいいことに4時間も居座った。なぜだか妻は、目を剥きだした芸術家がずっと頭に居座っている。

妻はついでに上野動物園にも行ったのだが、こちらはぜんぜんダメだった。目玉のパンダも「月の石」みたいな感じだったと(大阪万博世代らしいたとえだ)。

僕らは旭川の旭山動物園を訪れて魅了されている。比ぶべくもないということか。

妻には吐露してないけれど、檻の中の生き物を観ることの息苦しさを僕は乗り越えられなくなってしまっている。旭山動物園でさえもうだめだ。小さなプール(それでも大きなほうらしいけれど)で泳ぐカバの親子とか、頭の高さで対峙できるうら若きメスのキリンとか、見ていると胸がしめつけられる。

Appleは、OS群のパブリックベータ・プログラムを新たに始めてβ1のリリースを始めた。macOSは13.2、iOSは16.3へ。

OS群をまたぐ新しいアプリケーション『フリーボード』が前バージョンのOS群からリリースされている。ホワイトボードのようなもので、デバイスをまたいでチーム共有もできるような仕様(だと思うけれど……)。

この程度のアプリがこれまでなかったのは逆に驚く。