雨。21度。
6時に起きる。
朝餉は、焼き竹輪の大根おろしかけ、トマトとキュウリの中華サラダ、レタス・ミニトマトを添えた豚ロースの生姜焼き、味噌汁(ズッキーニ・パプリカ・油揚げ・豆腐・ナメコ・ネギ)、ご飯、ヨーグルトをかけたメロンとキウィ。
NHKの将棋と囲碁トーナメント。そのタイミングでその一手を推奨してくるAIに、プロの棋士が疑問を挟む。
「なんでですかね、(そんな手を予測するなんて)まったくわかりません」
それに、解説ではそこまで読む暇もない。
ずいぶん前の話――AI同士を戦わせていると聞いた。その対局数は年間に数万のレベルだったかと記憶している(もっと多かったかもしれない)。疲れとは無縁だから、停電でも起きない限りAIは24時間ずっと戦っていられるのだ。
対局数が棋力に直結するわけではないと思うけれど、彼らは(と、とりあえず擬人化するが)、その戦いのすべてを“正確に”覚えている。その過去を呼び出す速さは、瞬時と言っていいほど速くなっている。そうなると、これはもはや対局数=棋力と捉えていいのでないかと僕は思ってしまう(というより、AIの棋力を支えているのは、その速さなのだ)。ヒトが生涯に打てる局数はどう頑張っても5000局を超えることはないだろう。そして、ヒトはその対局の細部をどんどん忘れていく。
ヒトとの対局では、50手くらい打ったところで、将棋のAIなら詰みまで読んでいるかもしれない。1局が100手くらいで終わるとすれば、半分くらいまで来たところで詰みを予測しても不思議ではない。
陳腐に見えるAIの次の一手が、棋士にもわからなくなって久しい。テレビ画面に表示される次のオススメの3手は、僕らの想像を超えている。
姉の早い夕餉は、朝の食べ残しとスパゲッティ・ナポリタン。
雨脚が早まる。地面を叩く雨で景色が煙っている。
病院へ電話。母はバイタルが安定している。朝餉は完食、昼食は8割がた。話しかけると頷く。食べ終わると寝てしまうという。
夕餉は、冷蔵庫で干からびる寸前の生麺を茹でて醤油味のラーメン、ウィスキーのトワイスアップ。
入院した母を見舞えないから、姉の食事くらいしかやることがない。
夜半に16度まで下がる。