秘めていること

 

 

 

 

 

 

晴れ。19度。

7時に起きる。

朝餉は、蜂蜜とヨーグルトをかけたバナナ、サラダ(キャベツ・大根・きゅうり・カニカマ・バジル)、味噌汁(卵・玉葱・人参・油揚げ・豆腐)、林檎ジャムのトースト、アールグレイ。食後にコーヒー。

妻は紅葉を愛でに目白の学習院大学のあたりへ。それから歩いて鬼子母神を巡った。夕方に帰る。

ジョギング、7.73キロメートル。

信号持ちをしていると、背後から女の子の声がする。Are You Ukrainian? 振り返ると自転車に乗った外人の女の子だった。彼女は僕を見て、訛りの強い英語でまた尋ねてきた。Pardon me? すると彼女は慎重に言葉を選んだ、日本語で「ニセイ?」と。ウクライナ人の二世に見えたらしい。ワケは尋ねなかった。ちょっと汗を拭いて、時間をかけて尋ねればよかった。走り出して、しばらくして思った。黄色の長袖のシャツに青いランニングシューズは、何かを主張しているように見えたのかもしれない。

かの国は混迷している。作戦は一進一退を繰り返し、戦況に対する認識は大統領府と軍上層部で違っている。欧州の支援はもはや一枚岩ではない。ロシアはそういう状況を見越していたように、のらりくらり戦っているように見える。冬が近づいて、様相は吹雪の中に消え去ろうとしている。

昼餉は、ナッツ、コーヒー。

草花に声をかけ続けていると、花は大輪になり果実はたわわに実るとどこかで読んだ。拾い猫に愛の言葉をかけ続けていると、半年も過ぎたあたりから目の輝きが変わったという話を聞く。言葉が通じているわけではない。だが、なにかが通じているらしい。イントネーションに備わっている、ある種の振動が慰撫する効果を生むというけれど。愛の感情は、飛沫となって皮膚から微粒を周囲に発散するという説はどうだろう。

もっとすごいのもあるけれど、そのどれでもないのかもしれない。生きているものどうしは、生きているという共通項によってただ結ばれている。生きている、という伝達事項がある。おそろしいばかりの力を秘めているだけなのかもしれない。ただ秘めているだけなのだと思う。

夕餉は、小松菜のお浸し、大根とひき肉のとろり煮、鰤の照り焼き、味噌汁(大根の葉・玉葱・人参・油揚げ・豆腐)、玄米ご飯、ウィスキー・オンザロック。