500万本の同根花

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おおむね晴れ。27度。

7時に起きる。

朝餉は、蜂蜜とヨーグルトをかけたバナナとリンゴ、キャベツ・サニーレタス・キュウリ・大豆煮・カニカマ・チーズ・バジルのサラダ、玉葱・人参・ピーマンのコンソメスープ、卵焼きとハムのトーストサンドイッチ、麦茶。食後にコーヒー。

妻と電車で高麗の巾着田へ。曼珠沙華が500万本。真っ赤な花の群生はあの世のよう、と言う人もいるけれど、その色はほんのすこし毒々しくて、ちょっとだけ地獄の炎を連想させる。狂おしいというか、やるせない感じが想像のヴェールに色を加える。

今年は猛暑のせいで、花芽が顔を出したばかりの場所に木漏れ日がコントラストを作っている。夜のライトアップも1週間遅らせたとか。花見の客はそこそこ。海外からの人々がこんなところまで来ている。

お歳のご婦人らが、雌蕊はどこにあるんだろうね、と腰を折って花をのぞき込んでいる。雄蕊に見える6本の糸のような蕊の根元に花びらが開いている。ご婦人の疑問はもっともだ。日本の彼岸花は三倍体なので、種ができない。ごくたまに変異してできるらしい。球根が分かれて子孫を増やすので、辺りの花は同じ背丈で同じ色の複製である。

妻がそう教えてくれる。毒性の強い植物であるとも。花の毒々しさは、その毒性によるのかもしれない。

遅い昼餉は、飯能の蕎麦屋でざるそば、妻は冷やしとろろそば。びっくりするくらいの量で、二人してお腹いっぱいになる。つなぎに山芋を使っているせいかと思うが、夜になっても食欲が湧かない。

食後にドーナッツ屋でコーヒー、オールドファッション。これが追い打ちをかけた。

夕餉は抜いて、僕はウィスキー・オンザロックを。