物語にふさわしき色

 

 

 

 

 

 

 

晴れ、のち曇り。4度。

7時に起きる。

ここ1週間くらい、大陸からの風がやけに強い。日本海側の各地は大雪だ。局地的にまとまった雪が降る。線状降雪帯というらしい。

朝餉は、蜂蜜とヨーグルトをかけたバナナ、ハムと目玉焼き、味噌汁(玉葱・人参・小松菜・油揚げ・豆腐)、ブルーベリージャムのトースト、アールグレイ。食後にコーヒー。

クルマで長浜へ。妻へのクリスマスプレゼントを求める。ボアのついたルームシューズと靴下。僕の霜焼けはおさまりつつあるけれど。

クナイプのハンドクリームを見つけて求める。

注文していた波佐見焼の蕎麦猪口が届く。蛸唐草紋と市松紋の2個。コーヒーカップや茶碗がわりに。小鉢としての出番もありそう。

隙間だらけのアパート、風呂場は外気温と変わりない。昼間じゃなければシャワーも浴びる気にならない。霜焼けの両足薬指あたりが痒くて気持ちいい。髭を剃っていたら指をスーッと刃で引いてしまった。

さっぱりして、届いたばかりの『平家物語』をすこし眺めてから、手当たりしだいに机の本を手にとった。読みかけを片っぱしからめくる。そうやってなにかが満ちてくるのを待つ。

気構えというほどのことでもない。さっきよりちょっとマシな気持ちで『平家物語』をまた手にとる。と、本の小口が赤くなっている。紙の断面を鮮やかに染める血。左親指の傷口を見る。

『平家物語』にふさわしいと思ってから頁を繰る。赤い色はやがて元の色が想像できない色になる。その色をどう言い表せばいいのかわからないけれど。

鯖江のメガネ職人から礼状。少し疲れているようで。

夕餉は、佃煮、漬物、大根とかぼちゃの煮物、味噌汁の残り、玄米ご飯、赤ワイン。食後にかりんとう、コーヒー。