曇り、のち雨。26度。
6時に起きる。
朝餉は、サツマイモのレモン煮、ポテトサラダ、長芋のポン酢がけ、焼き茄子、サーモンの刺身、味噌汁(ささげ豆・人参・油揚げ・豆腐・サツマイモ・ネギ)、ご飯。
姉は亡父の庭の雑草取り。
病院へ電話。母はバイタルが安定しており、お粥とおかずも介助すれば食べると。手がすぐ止まるのは二酸化炭素濃度が高くなりつつある兆候かもしれない。すぐ寝てしまうのもきっとそうなのだ。
看護師をとおして医師に面会の許し乞うむねを伝えてもらう。4人部屋だから簡単ではないと思うが、姉のたっての願い。どこか不遜な感じのする姉の言い方が気になる。でも、黙っている。
本が届く。池澤夏樹編集の『短編コレクションI』(河出書房新社)。フリオ・コルサタルの『南部高速道路』、オクタビオ・パス『波との生活』、バーナード・マラマッド『白痴が先』、トニ・モリスン『レシタフィフ――叙唱』、高行健『母』など。
本が届いてからデジャ・ビュに襲われる。調べたら2014年に求めていたのをすっかり失念していた。自宅の本棚に並んでいるはずだ。久しぶりの2度買い。
Appleは、次期OS群のパブリックベータ・プログラムを開始した。マクドナルドでd Wi-Fiに接続する。iOS 16は遅いWi-Fiでも50分ほどで、macOS Venturaはファイルサイズが12.03GBと表示されダウンロードに2時間かかる、と表示されて萎える。Wi-Fiごときで、この世界がバラ色だったり灰色だったりする。そういうこと自体が辟易するし、それをなんとかしたいとジタバタしている自分にもうんざりだ。これが症候群だとしたら、なんと名付ければいいだろう(それとも膝を打ちたくなるようなやつがすでにあるんだろうか)。
病院から、面会はできないと返事が来る。母の容体が急変でもしない限り、そうでなければ、僕がいったん自宅に帰ることにならなければ会えない。
夕餉は、ポテトサラダとレタスのミニトマトのサラダ、カレーの残り、ウィスキー。
Wi-Fiのあるところへちょっと行ってくるね、と姉に言ってもどこまで理解しているだろう。説明は言い訳のようで、僕はなにも付け加えないまま家を出る。
そうやって姉弟の誤解の紐はなおいっそう絡まっていく。息を詰めて家に居るべき時に、弟はいそいそと出かけていく――姉は呆れているに違いない。