暇をいいことに

 

晴れ、のち曇り。10度。

7時に起きる。

朝餉は、キュウリとカニカマの酢の物、クリームシチュー、豚ひき肉のハンバーグ、シャケご飯、お新香、柿・リンゴのヨーグルト掛け、番茶。

父の病院へ。身の回りの品々をソーシャルワーカーさんに預ける。下着、ベスト、電動カミソリ、イヤホン。

ガソリンを入れて、タイヤの空気圧をチェック。食材の買い出し。

痩せ衰えた父は、何かを考えられるのだろうか。

姉が話しかけると、父は涙を浮かべることがある。感情に訴える言葉や動作、表情に、父は涙で応える。高ぶった感情は、理屈ではない部分が働いているあかしだ。

考える、という活動は父の中で生き続けているだろうか。感じることと、考えることは同じなのだろうか。

そもそも、こんなことを考えること自体が、間違っている。

医療は不遜だ。寿命をあやふやなものにしてしまった。言い方は悪いが、生命を弄んでいるようにさえ見える。こっちまで考え方が貧相になる。

僕もくだらない奴だ。こんなことを自問している。

昼餉は、黒豆煮、チャーハン、水餃子の中華スープ、番茶。

姉が折に触れて言うことがある。父の寿命は20年以上前にいったん終わったのだと。心臓にペースメーカーを入れて、父は残りの時間を刻みはじめた。

姉は、そんなことを言いながら、何かを納得しようとしている。

夕餉は、小倉トースト、豆乳。母と姉には、刺身、卵焼き、黒豆煮、ご飯、豆乳、お茶。

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