ストレッチャーで

 

晴れ、降ったり止んだり。14度。

6時に起きる。

朝餉は、茶碗蒸し、黒豆煮、焼きシャケ、焼き鳥、味噌汁(カボチャ・人参・大根・玉ねぎ・三つ葉・豆腐)、赤飯、柿・リンゴのヨーグルトかけ、番茶。

姉を乗せて父の病院へ。転院の手続き。

介護タクシーに父を乗せて、家にもう少し近い病院へ。母が通院している病院でもある。

担当の副院長先生が父の容態を説明してくれる。思っていたより死が近い。足からの皮下点滴で水分を補給しているだけなので、余命は1~数ヶ月と言われる。もっと短いかもしれない。正式な診断は検査を経てになる。個室を選んだので面会の融通が効く。看護師長さんが、面会について臨機応変に対応してくれる。家族3人の同時面会もできることに。

父の顔に黄疸があらわれている。言葉は出ないが、こちらの問いかけに時たま答える。

母に父のことを報告。母は黙って聞いている。

昼餉は、黒豆煮、焼き鮭の残り、卵焼き、お新香、赤飯、柿、番茶。

「わたしは、見舞いに行かない」と夜になって母が言う。父の死相を見るのは辛かろう。母は自分のことも頭にあるのだと思う。それも無理のないことだ。

父は大病を患うこともなく、老衰で逝こうとしている。世間でいうところの大往生というやつだが、コロナ禍での看取りは付きっきりというわけにいかない。

父は、放っておかれているような気分を味わったかもしれない。新型ウイルスが世界で猛威を奮っていることなど何もわかっていないのだから。

夕餉は、クリームシチュー、ご飯、お新香、リンゴ。