ポブレシート!(かわいそうに)

 

 

 


晴れ。29度。
7時に起きる。
朝餉は、蜂蜜とヨーグルトをかけたバナナ、サラダ(レタス・リーフレタス・トマト・大豆煮・チーズ・バジル)、味噌汁(シメジ・エノキ・キャベツ・油揚げ・豆腐・玉葱・人参)、卵トーストサンドイッチ、アールグレイ。食後にコーヒー。
シェアカーを借りて、妻を友人宅へ届ける。お茶会は久しぶりの日差し。電動自転車でも隣町の丘の上までは辛い。
『すべての月、すべての年』より——

(前略)司祭はラテン語で祈りをとなえ、左手に持った杯に指先を浸して赤ん坊一人ひとりのおでこに十字の印をつけ、父と子と精霊のみ名において洗礼する。親たちは神妙な顔つきでおごそかに祈る。司祭さまが母親たちも祝福してくれればいいのに、とわたしは思った。彼女たちにもなにがしかの印をつけて、神のご加護を与えてくれればいいのに。
 メキシコの村に住んでいて、息子たちがまだ小さかったころ、インディオたちはときどき息子たちのおでこに十字を切って、「かわいそうに!(ポブレシート)」と言ったものだった。こんなに愛らしい生き物は、きっとこれからの人生で苦しむにちがいない!
 四歳のマーク、ニューヨークのホレイショ通りの保育所。マークはほかの子たちとおままごとをしていた。おもちゃの冷蔵庫のドアを開けて、見えないコップに見えない牛乳を注ぎ、それを友だちに渡した。友だちは見えないコップを床に叩きつけて割った。そのときのマークの傷ついた表情を、その後わたしは息子たちの顔に何度も見ることになった。事故や、離婚や、挫折によってつけられた傷。どんなに狂おしくあの子たちを守りたいと願ったことか。自分の非力を思い知らされたことか。
 教会を出るまぎわ、わたしは聖母マリア像の足元にロウソクを一つ灯して供える。ポブレシータ。

昼餉は、菓子パン、コーヒー。
ジョギング、5.39キロメートル、最大心拍数128bpm、最高速度8.3kph。
いつでも出動できるように待っていたけれど、妻は歩いて帰ってきた。途中で食材を買って。彼女の身体はそのほうが喜んでいる。
夕餉は、冷奴、納豆、ポテトサラダ、ズッキーニのカレーチーズ炒め、野菜と鶏ひき肉の中華炒め、味噌汁(スナップエンドウ・キャベツ・油揚げ・豆腐・玉葱・人参)、玄米ご飯、ウィスキー・オンザロック。食後にコーヒー、煎餅。