待ち焦がれる日々

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

晴れ。21度。

7時に起きる。

朝餉は、蜂蜜とヨーグルトをかけたバナナ・リンゴ、サラダ(キャベツ・レタス・キュウリ・カニカマ・バジル)、味噌汁(シメジ・玉葱・人参・油揚げ・豆腐)、チーズ・ハム・レタスのトーストサンドイッチ、アールグレイ。食後にコーヒー。

『越境』より――

 

 やがて彼は首都で恩給生活者となった。友達はいなかった。毎日公園へ出かけてベンチに坐っていた。彼の足の下にあるのは昔の人の血をたっぷり吸いこんだ土地だった。彼は公園を歩く人々を眺めた。彼は人々がそれを達成するためにあれこれ動き回っていると思いこんでいる目標や目的なるものは実は人々の動きを描写しているにすぎないとの確信に至っていた。人々の動きはより大きな動きの一部にすぎずその大きな動きの動き方は彼らには分からず大きな動きの方でも彼らの動き方がわからないと信じていた。ただ彼はこの考え方に慰めを見出せなかった。彼は世界が自分のもとから離れていくのを感じた。彼を取り巻いているのは叫んでも谺の返ってこない巨大な空虚だった。彼が祈ることを始めたのはこのころからだった。動機はおそらく純粋なものとはいえない。しかし純粋な動機というものはどういうものかね? 神を丸めこむことはできるのか? 神に嘆願したり自分の議論に一理あることを理解してくれと頼んだりできるのか? 神の手で創られた者が神を喜ばせることなどできるのか? 神を驚かせることはできるのか? 心のなかでこの男はすでに神に対して陰謀をめぐらし始めていたがまだそれを自覚してはいなかった。それを自覚したのは神の夢を見るようになってからだった。

 

ジョギング、8.11キロメートル。

昼餉は抜き。

コーマック・マッカーシーの遺作は黒原敏行氏によって翻訳中だろう。それは来年のどこかで手に取れるだろうか。ひょっとしたら、僕はそれだけを頼みに生きているかもしれない。

夕餉は、納豆、冷や奴、ヒジキ煮、味噌汁(玉葱・人参・レタス・油揚げ・豆腐)、玉子丼、ウィスキー・オンザロック。食後にロールケーキ、コーヒー。