塗りつぶす

 

 

 

 

 

 

曇り。21度。

6時に起きる。

コーヒー。

NHKの囲碁トーナメント。AIの勝敗判定が一手ごとに大きく振れる珍しい戦いに。解説のレドモンド9段によれば、半目の差をAIはそのように表現していると。

ものすごく強い棋士が一人いて、あとは似たようなもので、誰もがその棋士を仲間外れにしている。AIと棋士の関係は、そんな感じかもしれない。

年間最優秀の棋士が、年末にみんなを代表してAIに挑戦する5番勝負はどうだろう?

昼前に妻が出かける。友人とランチへ。

昼餉は、リンゴジャムを塗った米粉パンのトースト、豆乳、青リンゴ、コーヒー。

現実が過酷なせいで、名目が必要になる。僕らには、さまざまに隠れ蓑がある。

たとえば、天国とか。

巧妙に仕掛けを施す。たとえば、地獄もある、とか。助かりたければ、神様にすがれとか。

いつのまにか、それが現実に根を深くおろしていく。

現実の過酷さが、意に反して、もっと浮かび上がる。だから、天国を塗りつぶそうとする。神も仏もない。あるのは現実だけだ、と。

もっと塗りつぶす。現実は、僕らの脳が作り上げたものだと。なにも存在していないのだ、と。

最後に、自らも否定する。

夕餉は、ポテトサラダ、切り干し大根、揚げ・ナス・ピーマン味噌炒め、大根・竹輪・ジャガイモの煮物、味噌汁(玉ねぎ・人参・ズッキーニ・油揚げ・ネギ)、玄米ご飯、ウイスキーオンザロック、冷たいほうじ茶。食後にコーヒー、クッキー。

吉祥寺の街は混雑していた、と妻。トラットリアには行列ができていて、妻たちは他の店を探した。

人出は増えているのに、感染者は減っている。専門家の説明は、次第にトーンが曖昧になっている。出所は定かでないが、ウイルスが自滅しているという説も。なんともはや。