Love on the Left Bank

 

曇り、のち雨。30度。

6時に起きる。

ざくろ酢のジュース、コーヒー。

妻が買って冷蔵庫にストックしていたざくろ酢。水で割って氷を浮かべたら、病みつきに。

ざくろといえば、なぜかイチヂクのパンが食べたくなる。行きつけだったドイツパンの店のが懐かしい。クルマで15分は、クルマのない暮らしにはただただ遠い。

雨の中、バルコニーにスズメが飛んでくる。窓のすぐそばへきて、こちらを覗き込むように。小首をかしげる姿。この春に巣立ったばかりだろうか。

昼餉は、バナナ、オレンジマーマレードを塗った全粒粉パン、ミルク、コーヒー。

エド・ヴァン・デル・エルスケンの写真集が本棚にあれば嬉しい。65年前には、陰はどこまでも濃かった。粒が粒として見えて、潰れているのにざらざらしている。

かぐわしい。

パリの裏通りの闇は、あの匂いを今も漂わせているだろうか。

夕餉は、冷奴、レタス・トマトのサラダ、チャーハン、ざくろ酢のジュース、コーヒー。

ウインブルドンの男子決勝は、ノバク・ジョコビッチがマテオ・ベレッティーニを下して6度目の優勝。グランドスラムは20勝目。

ベレッティーニが股のあいだからロブを返すと、そのロブをジョコビッチも股のあいだから返してわずかにラインオーバーとなった。スタジアムが湧く。

うっすらと笑顔を浮かべたジョコビッチは、とても大事なゲームを、彼らしいやり方で味わっていた。引き出しがたくさんあって、それを開けてもらえる相手と戦っている。彼のプライオリティがわかる瞬間だった。

ベレッティーニは、奥深いところで燃えているガッツを、尽くすというやり方でちゃんと伝えられるプレイヤーだ。

 

 

 

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