それが、ない

 

おおむね晴れ。16度。

7時に起きる。

朝餉は、ほうれん草と枝豆のバターソテー、卵焼き、人参のグラッセ、ベーコン、味噌汁(人参・玉ねぎ・ほうれん草・油揚げ・豆腐)、ロールパン、リンゴ。食後にコーヒー。

妻と工務店の建築家のプレゼンテーションへ。渡された質問シートを埋めて、送り返したことに対する答えのようなもの。3DCGで建物の内部ツアーを観せられてから、細部の説明を聞く。什器の位置や大きさなどをリアルタイムで動かせる。30年前なら、PCのアプリケーションで数日かかりそうな計算だ。デザインよりそっちの方に興味がわく。それから話し合った。

昼餉は、ファミレスでスパゲッティ・アラビアータ、エスプレッソ、ジンジャエール。

リビング然としたものはいらない、中心に台所と食卓が欲しい、土間とストーブ、炉を切った茶室——思いつくことを書き連ねた。

そこから取捨選択されるものとか、新たな提案を期待した。無邪気に書いて、現実を知らされる。僕らは、子どもみたいなものだ。そういう段階だと言う意識があった。

目の前には、模範解答があった。要素はすべて盛り込まれている。限られた空間に整然と。

見事だったので、そのような感想を述べた。

建築費の説明があり、今後のスケジュールを提示された。ここまでは無料だ。彼らの手腕を見せてもらったので、あとは一緒に家を作るか返事をする。

夕餉は、妻の作ったキーマカレー、リンゴ、紅茶。食後に饅頭。

夜になって、僕らは図面をもう一度見た。彼らの前では言わなかったことをあれこれ話し合った。

望んだ要素がすべて入っているのに、この気持ちはなんなのだろう。そんなことに話題は移っていった。

妻が、あることに気づいた。

洗濯機はどこに置くのかな?

僕らは、図面を何度も見た。

そして、ため息をついた。

 

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