ドリッピングの要

 

曇り。19度。

8時に起きる。

朝餉は、大根・サニーレタス・コーン・パプリカ・竹輪のサラダ、フレンチトースト、アールグレイ。食後にコーヒー。

動画サイトでコーヒーの淹れ方を見れば、スタンダードというか常識とされている作法の存在がわかる。それを守っていれば大きな失敗はない。だいたいは、コーヒー器具メーカーとか、チェーン店のバリスタの作法がベースになっている。あとは、その亜流か、ベースを鵜呑みにしたものが大半だ。

ところが、バリスタ選手権で世界一になったという名人の淹れ方は、ぜんぜん違ったりするから面白い。大袈裟にいえば、その淹れ方は、非常識といわれていたような部類に属するように見える。

僕もスタンダードとか常識とされる作法どおりではない、どちらかといえば自己流だが、名人の淹れ方を見て、そこまでやる勇気のようなものはなかったと教えられた。

ドリッピングのキーになるところさえ押さえておけば、よほどのことがない限り、間違いはないのだと思う。名人の淹れ方は、あらためて、それに気づかせてくれる。

昼餉は、妻が作ったスイトンの小豆碗、お茶。

コーヒー豆の素性がしっかり伝わる、それが淹れ方の基本中の基本だが、突き詰めれば豆ごとにそれは変わるだろうと、僕は想像している。

モカとブラジル、エチオピアの差が、しっかりわかる。僕が目指しているのはそれくらいだが、これが一筋縄ではいかない。自己流を編み出したのは、常識の作法どおりでは、味の違いが出にくいと思ったからだ。

世の中には、数多の作法がある。それは、長年の研磨に耐えてきたものだ。だから、大きな間違いはない。ドリッピングの作法など、その最たるものだ。

間違いはないけれど、どこか物足りない。どうやら、敷衍した情報には、知恵の発露が途絶えたモノクローム性があって、それが鼻につくらしい。

ネットの情報は、そういうことが多い。

作法のキーとか要になっている物事を見つけるのは、簡単ではない。

コツコツと学べば、やがてわかるというものでもない。体系化したり再編成する能力とか熱意のようなものが求められないようなキーとか要は、所詮はキーとか要ではないのだと思う。

ネットの情報に足りないのは、そうした覚悟のようなものかもしれない。

時間も熱意もほかへ注ぎ込まなければいけない人にとって、だからネットは重宝なのだが。

夕餉は、切り干し大根煮、大根とコンニャクの甘辛煮、味噌汁(人参・玉葱・大根・エノキ・小松菜・豆腐)、チーズリゾット。