見てるつもり

雨のち晴れ。
六時に起きる。雷雨。落雷が家を揺らす。
朝餉は、レタスとパプリカ、コーンのサラダ、味噌汁(人参、ズッキーニ、シシトウ、油揚げ)、トースト、バナナとヨーグルトのミルクセーキ、野菜ジュース、アールグレイ。食後にロールケーキ。
女房は講習会。お弁当は焼き鮭、卵焼き、冷凍惣菜の揚げ物、サラダ。
入り側書斎でキーを叩く。
昼餉は、弁当おかずの残りとちらし寿司。
九キロをジョグ。
女房は講習会を終えてすぐ帰宅。午後はずっと睡魔と闘っていたと。よほどだったらしい。
ローソンのマークを書いてごらんよ。
落ち着く間もなく女房が言う。
えっ? なんだ、いきなり。
いいから、書いてごらんよ。紙とボールペンをこちらに差し出す。
ちょっと考えてすぐ分かった。そんなマーク、じっくり見たこともなかった。道沿いに店があれば、すぐローソンだと分かるのに。とっかかりさえつかめない。あの青いマーク……。こんなやつかな?
女房は笑っている。ぜんぜん違うねぇ。
創業者のJ.J.ローソンさんはオハイオ州で牛乳屋さんを営んでいたらしい。真ん中の絵はそれにちなんでいるという。
普段、何気なく見ているものって、実は何も見てないに等しいんだよ。
確かに。
介護もそうだって。ちゃんと看なければって。
なんだ、面白い講義を聴いてるじゃないか。
こういうのは午前中のグループワークでやるの。午後は黙って聴いてるだけだから辛いんだよ。
夕餉は、ヒジキ煮、茄子と魚ハンバーグの焼いたの、味噌汁の残り、玄米ご飯、冷たい番茶。
講習会には聾啞者も出席していると女房。講師の話を手話通訳して聴いている。そういう人たちも、いざとなるとローソンのマークは書けないものだろうか。
細田守監督『サマーウォーズ』をテレビで見る。昨日のキーボード話を思い起こした。AIプログラムと闘う様子が描かれているのだが、主人公が猛烈な勢いでキーを叩く。うぉーっ、と叫びながら。コマンドだかデータだか知らないが、この時代にキー入力の速さでAIプログラムと闘うなんてアナクロニズムも甚だしい。
そういう稚拙さを許す若者たちの感性が、僕には信じられない。