野性の光景

終日、冷たい雨。
六時過ぎに起きて、机へ。
ストーブの石油を燃やしきるにはまだ早いかもしれない。窓の結露がひどい。
この五年、空虚になった福島の町には野性が闊歩しているらしい。イノシシの群れが走り回る姿を観た。置き去りにされた家畜はどうなっただろう。
放たれた犬の目には、愛玩のときには見られなかっただろう輝きがあった。
焼きついて離れなかった絆という言葉はすっかり影を潜めた。
女房が三陸へ行きたいと言う。
僕は連れて行くつもりだ。
ホワイト・デーとやらで、チョコレートとトレーニング用のウェアを女房に。